佐伯俊男

小橋宏奈*1「目を背けたいのに、もっと見たくなる 佐伯俊男という絵師」https://www.buzzfeed.com/jp/hironakobashi/saeki-toshio
佐伯俊男『雲然』展に新作や巨大壁画も ブラックユーモアとエロスの世界」https://www.cinra.net/news/20180120-saekitoshio


佐伯俊男*2の個展『雲然』が東京渋谷の画廊「ナンヅカ」*3始まっているのだという*4。まあ東京とその周辺に住んでいる人にとってはmust goであるね。
さて、佐伯俊男というイラストレーターを知ったのは、1970年代から80年代にかけて刊行された角川文庫の山田風太郎忍法帖」のジャケットだろうか*5。『忍法忠臣蔵』とかね。あの頃、佐伯さんのイラストに魅かれて山田風太郎を買っちゃったという人も、或いはその反対に、イラストに引いてしまって買うのを躊躇ったという人も少なくないのではないか。

忍法忠臣蔵 角川文庫

忍法忠臣蔵 角川文庫

以前現代日本のエロティックな絵として、米倉斉加年金子國義を比べたことがあったのだけど*6、佐伯さんの絵はそのどちらとも違う。特に米倉斉加年が(エッチングのような)線を強調するのに対して、佐伯さんのイラストレーションでは面(ベタ)が強調されている。それは、例えば月岡芳年のような錦絵以来の仕方であるともいえる。勿論、佐伯さんは色のない絵も発表しているわけだけど。
嬰野賦*7という中国人アーティストがいるけど、彼の作品には佐伯的なものを感じてしまう。直接影響関係が或るのかどうかはわからないけれど。