Dr-Seton*1「有人宇宙飛行はまったくのムダ」http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20171118/1510996100
「有人宇宙飛行」には科学的意味も経済的意味もないよという議論。火星移住問題が論じられている部分;
火星に関する環境倫理学的議論なんて行われているんだ!? と思ったのだけど、Wikipediaの項目にもなっている*2。また、例えば、
良く言われるのが、他の惑星 ほぼ火星一択ですが に移住するための技術を開発するため、です。しかし、火星に人類が移り住む、というのは果たしてどうなのか?火星に生物がいる場合といない場合で状況は変わります。
まず、火星に生物がいる場合はそれで終了です。火星への移住は不可能かつ行うべきではない。
火星は火星の生物のものですから、惑星環境改造(テラフォーミング)は環境破壊になります。探査機の到達も最低限で隔離環境を維持したまま観察という程度に留めることになるでしょう。
ちなみに、火星にかつて生物がいた、という証拠が見つかるなら、その場合、火星には現在でも生物は存在するでしょう。なぜなら、火星環境は地球の大部分の生物種が生存可能です。過去から環境適応の時間を充分に得てきた火星固有種が生き延びる事は充分に考えられます。ただし、現在生き延びているとしても、その様相は人類の想像を絶したものかもしれません。
環境倫理を無視して火星を惑星改造して無理やり住み着いたとしても、その場合は火星生物による疫病などが起こりえます。ですから、火星生物が存在する場合は、火星への移住は不可能です。
火星に生物がいない場合でも、環境倫理的には惑星改造など許されるものではありませんが、それでも無理やり行うことにしましょうか?しかし、遥かに人類に親和的な地球環境でさえ損なおうという人々が、火星の環境をコントロール出来ますか?そんな簡単なもののはずがありません。
二酸化炭素を増やすだの、表面を黒化させるだの、フッ化炭素化合物によって温暖化を促すだの、それ、果たして丁度良いところで止められるの?という代物です。いったん動き出した環境変動は人間の手に負えない、という事が判っていないのかもしれませんね。
それに、もともと火星に移住しないといけない理由が理解できません。
人類が増えすぎるから、環境が破壊されるから、火星に住もう。これは、自分たちの責任を放り出していますよね。人類が増えすぎるなら、定常人口になるような社会設計を行い、環境破壊は食い止める。それこそが取るべき手段であって、火星に移り住むのは無責任極まりない。そんな人々が火星を再び汚染しつくさないとどうして云えますかね。
Laurie Zoloth “Is a trip to Mars ethical?” https://cosmosmagazine.com/space/trip-mars-ethical
Mordanicus “Colonization of Mars” https://republicoflagrangia.org/2012/12/19/colonization-of-mars/
Mordanicus “On the Ethics of Colonizing of Mars and Space” https://republicoflagrangia.org/2013/05/25/on-the-ethics-of-colonizing-mars-and-space/
*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080215/1203046472 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080227/1204077862 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080605/1212640212 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080613/1213338134 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080616/1213616174 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080619/1213852805 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080623/1214242989 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080904/1220464623 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080906/1220662781 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080906/1220705144 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080921/1221927666 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081011/1223657602 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081011/1223690774 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081029/1225285895 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081127/1227807914 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081201/1228105248 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090408/1239155260 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090819/1250713380 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090915/1253031619 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091009/1255033275 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091026/1256574276 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100211/1265900212 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100313/1268466640 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110416/1302934724 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110603/1307125019 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110717/1310917604 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130222/1361498965 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130528/1369714773