ヴォーゲル/橋爪『邓小平』

ヴォーゲル*1橋爪大三郎*2『邓小平』(講談社現代新書、2015)を読了。


まえがき(エズラ・F・ヴォーゲル
『邓小平』(新書版)のできるまで


プロローグ
第1章  邓小平とは何者か
第2章 革命家、 邓小平
第3章 国共内戦から新中国成立へ
第4章 文化大革命
第5章  邓小平の改革開放
第6章 天安門事件
終章 これからの中国


邓小平の生涯

ひとつだけメモしておくと、邓小平というのは中国で近代的な初等教育を受けた最初の世代だった;

――つぎに、教育について。邓小平は、儒学の教育も受けているし、西洋式の教育も受けている。ちょうど切り換わりの時期ですね。

ヴォーゲル おっしゃる通り。

――毛沢東は、儒学の教育の影響が強いようですが、邓小平はどうですか。

ヴォーゲル 毛沢東は一八九三年の生まれ。毛沢東の教育はおもに、辛亥革命(一九一一年)前のものなんです。いっぽう邓小平は一九〇四年の生まれ。七歳まで村で、儒学の基礎を学んだけれども、そのあと、いち早く、西洋式の学問を勉強しました。学校はできたばかりで、制度が整っていなかったけれども、そこで、数学、歴史、地理などを学んだのです。
毛沢東は、そのころすでに勉強をやめていて、一九一一年のあと、北京大学の図書館に勤めた。学生ではなくてね。そして、知識人たちに、不信感を抱くようになった。

――数学、物理、化学、歴史学、経済学……。こうした学問をきちんと勉強したかどうかで、指導者としての資質に大きな違いが出てくると思うのですが。

ヴォーゲル 私もそう思います。(p.40)