4分の1

朝日新聞』の記事;


成人の4人に1人「自殺考えた」 増加傾向 厚労省調査

井上充昌

2017年3月21日11時54分

 成人の4人に1人が自殺を考えたことがあることが、厚生労働省の調査で分かった。21日に発表された意識調査で、過去に実施した2008年と12年の調査と比べて増加傾向にある。別の統計によると自殺者数は減っているが、厚労省は自殺に陥るリスクは根強いとみて対策を検討する。

 調査は昨年10月に全国の20歳以上の男女3千人を対象に書面で実施。2019人から回答があった。それによると、23・6%が「本気で自殺したいと考えたことがある」と答えた。08年の19・1%、12年の23・4%から増え続けている。

 理由は質問していないが、自殺を考えたことがある人にどう乗り越えたのかを聞いたところ、「趣味や仕事で気を紛らわせるよう努めた」(36・7%)、「身近な人に悩みを聞いてもらった」(32・1%)が多かった。悩みやストレスを感じたとき、相談や助けを求めることにためらいを感じる人は46・9%いた。

 警察庁の自殺統計(速報値)によると昨年の自殺者数は2万1764人で、7年連続で減少している。政府は今回の調査結果を踏まえ、今夏に新しい自殺総合対策大綱を閣議決定して、対策を強化する方針だ。(井上充昌)
http://www.asahi.com/articles/ASK3P3QR5K3PUTFK005.html

一目瞭然なのは2008年と2012年の間のギャップであり、2012年と2016年の間は微妙。自殺念慮*1というと鬱病との関係を疑う人も多いだろうけれど、この同じ期間における鬱病の発症率の増減はどうなっているのだろうか。また、「自殺者数」が「7年連続で減少している」ということだけど、自殺未遂を含めたデータというのはあるのだろうか。「自殺者数」の「減少」は応急処置のおかげだったということも考えられるわけでしょ?
また、

精神科で身体拘束、最多1万人超 重症患者増加も要因か

井上充昌

2017年3月21日19時00分

 精神科の病院で体をベッドにくくりつけられるなどの身体拘束をされた患者数が2014年は1万682人で、過去最多だったことが厚生労働省の調査で分かった。精神保健福祉法に基づき認められている措置だが、症状の重い患者の増加も要因とみられ、厚労省は詳しい調査を始める。

 調査は14年6月末時点で実施。拘束された患者のうち、家族らの同意で入院させる医療保護入院が8977人、都道府県知事らが決める措置入院が232人だった。都道府県別では北海道が1067人と最も多く、東京都の1035人、千葉県の888人が続いた。施錠された保護室への隔離は1万94人で初めて1万人を超過。医療保護入院患者が8377人で、措置入院患者が549人だった。

 精神科病院の入院患者総数は29万406人で、前年から7030人減ったが、重度で症状が安定しない急性期の患者が増えているという。精神保健福祉法では、患者が自らを傷つける恐れがあるなどと精神保健指定医が認めた場合に身体の拘束や隔離ができる。拘束や隔離が増えている理由を詳しく把握するため、厚労省は次回の調査から新たに疾患の内容などを調査項目に加える方針だ。(井上充昌)
http://www.asahi.com/articles/ASK3P4J5FK3PUTFK00C.html

そうなんだ! と感嘆符が出る。でも、この記事はどのくらい前からのデータに基づいて書かれているのだろうか。精神病院といえば閉鎖病棟、「拘束」も「隔離」も当たり前という時代が長く続いていた筈なのだ。ただ、全体として言えるのは、精神医療の脱施設化は着実に進んでいるらしいこと(「入院患者総数」の減少)。以前聞いた話では、精神病院の入院患者のマジョリティは精神病ではなくアルコール依存症だということだったが、がちの精神病が増えているのね。また、入院期間は長期化しているのか、それとも短期化しているのか。