噂の書物

聖徳太子」か「厩戸王」かという神奈川県対文部科学省の論戦*1の一方で、「聖徳太子」について全く別の関心を抱いている人たちがいる。それもかなり昔から。


kcookingk「恐すぎる聖徳太子の予言… 現代に関わる予言とは」https://matome.naver.jp/odai/2140376292081917801
聖徳太子の不気味な終末予言。世界の破滅は2016年?それとも2036年?」http://soyokazesokuhou.com/syoutoku/
聖徳太子が残した予言によると東京は壊滅する!?」http://history.monovtube.com/entry42.html
聖徳太子の予言 原文は存在している!?」http://historivia.com/cat3/prince_shotoku/3452/


聖徳太子の予言書『未来記』は、常に存在しているらしいよと言われる〈噂の書物〉として、不在の書物として存在している。Wikipediaから引用してみる;


日本書紀』には「兼知未然(兼ねて未然を知ろしめす、兼ねて未だ然らざるを知ろしめす)」とある。この記述は後世に「未来記(日本国未来記、聖徳太子による予言)」の存在が噂される一因となった。『平家物語』巻第八に「聖徳太子の未来記にも、けふのことこそゆかしけれ」とある。また、『太平記』巻六「正成天王寺の未来記披見の事」には楠木正成が未来記を実見し、後醍醐天皇の復帰とその親政を読み取る様が記されている。これらの記述からも未来記の名が当時良く知られていたことがうかがわれる。しかし、過去に未来記が実在した証拠が無く、物語中の架空の書か風聞の域を出ないものと言われている。江戸時代に、人心を惑わす偽書であるとして幕府により禁書とされ、編纂者の潮音らが処罰された『先代旧事本紀大成経』にある『未然本記』も未来記を模したものとみることができる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%81%96%E5%BE%B3%E5%A4%AA%E5%AD%90
先代旧事本紀大成経』は(今では偽書と見做されている)「聖徳太子によって編纂されたと伝えられる教典」。やはりWikipediaから抜書きしておく;

1679年(延宝7年)、江戸の書店で『先代旧事本紀大成経』(七十二巻本)と呼ばれる書物が発見された。この大成経の内容が公開されると大きな話題となり、学者や神職、僧侶の間で広く読まれるようになった。しかし、大成経の内容は伊勢神宮別宮の伊雑宮神職が主張していた、伊雑宮が日神を祀る社であり内宮・外宮は星神・月神を祀るものであるという説を裏づけるようなものであることがわかり、内宮・外宮の神職がこの書の内容について幕府に詮議を求めた。

1681年(天和元年)、幕府は大成経を偽書と断定し、江戸の版元「戸嶋惣兵衛」、書店にこの書物を持ち込んだ神道家・永野采女と僧 ・潮音道海、偽作を依頼したとされた伊雑宮神職らを処罰した。後に大成経を始めとする由緒の明らかでない書物の出版・販売が禁止された。しかし、幕府の目を掻い潜って大成経は出回り続け、垂加神道などに影響を与えている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%88%E4%BB%A3%E6%97%A7%E4%BA%8B%E6%9C%AC%E7%B4%80%E5%A4%A7%E6%88%90%E7%B5%8C

現在流通している〈聖徳太子の予言〉言説を遡ると、この『先代旧事本紀大成経』に行き着くようだ。勿論、江戸時代の書物を直接参照するのは容易なことではない。そこで、現代の諸言説の直接的な起源として浮かび上がってくるのは(あの〈ノストラダムス〉の!)五島勉*2。〈ノストラダムス〉と同様に五島の創作の部分が多いのだという;


「古代日本最高の知性が見通す未来「聖徳太子の予言」」 http://www.nazotoki.com/shotokutaishi.html


ところで、〈ノストラダムス〉が1999年の世界破滅を外しているように、こっちの〈聖徳太子〉も2016年の世界破滅を(幸いにして)外しているのだった。
オカルトといえば、やはりTocanaだけれど、Tocana的にいうと、2016年のSMAP解散*3今上天皇による譲位宣言*4も「聖徳太子の予言」と関連があることになる;


白神じゅりこ「SMAP解散天皇生前退位」で日本滅亡!? 聖徳太子の予言「2016年クハンダ襲来、東京壊滅」が今始まった!」http://tocana.jp/2016/08/post_10662_entry.html


曰く、


(前略)もしかしたら、天皇陛下聖徳太子の『未来記』を読まれ、日本に大きな転機がまもなく来ることを見越してのメッセージを送られていたのかもしれないとは考えられないだろうか? 

 実は、聖徳太子が予言した「クハンダ来襲」は、「釈迦入滅後2500年」に起こるとされており、計算すると今年2016あるいは来年2017年には破滅の時が訪れるとみられているのだ。

 平成時代の今上天皇生前退位をにじませ、平成のシンボル「SMAP」が解散する…。

 これは平成の世の幕切れを暗示しているが、それと同時に、日本の象徴であり要(かなめ)とされるものが、ほぼ同時期に終焉を迎えようとするのは日本に大きな転機が迫っているからではないだろうか。SMAP解散に続く「日本解体」の日は近いのかもしれない。

さてさて。