「無期停学」など

承前*1

産経新聞』の記事;


慶応大集団乱暴疑惑 大学側が学生4人を無期停学処分 「気品損ねる行為」

産経新聞 11/5(土) 8:40配信


 神奈川県葉山町の合宿施設で、慶応大学の10代女性が同大広告学研究会(広研)に所属する男子学生数人から乱暴を受けたとされる問題で、関わったとされる4人の男子学生に対し、同大が無期停学などの処分を出していたことが4日、分かった。処分は3日付。

 問題をめぐっては、未成年者に飲酒を強要していたなどとして、同大が10月4日に広研に解散命令を出しているが、学生個人への処分は初めて。

 同大広報室によると、処分を受けたのは▽商学部2年の学生▽理工学部1年の学生2人▽環境情報学部2年の学生−の4人。商学部理工学部の学生は無期停学、環境情報学部の学生は譴責(けんせき)とした。

 無期停学の処分理由は9月2日、葉山町の広研が借用していた合宿所で、未成年飲酒やサークルでの性行為、その行為の撮影など「気品を損ねる行為をした」などとしている。今後「学生の本分に著しく反する事実」が確認された場合、処分の変更もあり得るという。環境情報学部の学生の処分理由については、広研の責任ある立場にも関わらず、監督責任を怠ったなどとしている。

 関係者によると、現場には6人の学生がいたというが、同大は「処分について、詳しい内容は答えられない」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161105-00000504-san-soci

某氏のご教示によって最初に知ったのがこの産経の記事。勿論、報道しているのは産経だけではない。停学処分は教授会の決定事項なので、処分の告示は各学部毎に出されているようだ。そのうち「理工学部」の分は、「慶應大学、女性暴行疑惑で「無期停学」処分 「軽すぎる」ネットで批判」というJ-CASTニュースの記事に写真が示されている*2。それによると、産経の記事の「気品を損ねる」というのは誤字であり、正しくは「気品を害ね、学生の本分にもとる行為」ということになる*3。「告示」では、具体的に何が「気品を害ね、学生の本分にもとる行為」なのかは全く示されていない。だから、産経の記述は、慶応大学「広報部」の説明によるものか、或いは記者の想像に基づくものか、どちらかである。「無期停学」が「甘い」という議論があるようだ*4。しかし、この処分については、軽いとも重いとも思わなかった。しかし、処分の理由付けは最悪だと思った。正直言って、「気品を害ね」というのは意味が分からない。だって、いきなり抽象名詞なんだもん。また、「気品」には誰(何)の「気品」なのかという属格が必要な筈だ。それを補ってみると、慶應義塾大学の「気品」ということになるのだろうか。要するに、慶応の評判が落ちて、来年の受験者数が減ったらどうしてくれるんだ! ということだろうか。「学生の本分にもとる行為」という恥ずかしい表現も含めて、カマトトぶってるんじゃねぇよ、ゴミ! ということになるのだろうけど、それよりも、何よりも〈被害者〉が存在するのに〈被害者〉に配慮する素振りも見せずに俺の顔に泥を塗りやがったなと怒ってみせるという態度が下品であるといえるだろう。重大な犯罪の可能性があるということは全然意識していないともいえる。産経によれば、「気品を損ねる行為」(ママ)は具体的には「未成年飲酒やサークルでの性行為、その行為の撮影など」であるという。先ず、「未成年飲酒」というのはどうでもいいことであり、また「サークルでの性行為」というのは「性行為」一般が問題になっているわけではないだろう。疑惑の的になっているのはあくまでもレイプであるわけだ。
さて、

「ああああ...」金沢工大学長の謎コメント 「何があったんだ」ネットで一気に拡散

J-CASTニュース 11/2(水) 17:53配信



 学内資料に掲載された学長のコメントが「あああああああああああ」と「雑すぎる」。そんな指摘をきっかけに、金沢工業大学ツイッターで注目を浴びている。

 意味不明なコメントの背景に何があったのか。大学側はJ-CASTニュースの取材に対し、「(学長の)正式コメントではない」と答える。


■「学長」が「話題のツイート」にランクイン

 2016年11月1日、「金沢工業大学の学長のコメント雑すぎて笑った」というコメントとともに、複数の写真がツイッターに投稿された(2日16時までに削除)。

 大学の取り組みを伝えた何らかの資料とみられる紙に「特別寄稿」として掲載された、大澤敏学長の顔写真とコメント。しかし、そのコメントは「ああああ...」と200文字ほど続き、意味不明だ。

 「あ」の文字列のインパクトは強く、ツイートは一気に拡散された。2日午前中までにリツイート(拡散)回数は1100を超え、「学長」というワードが一時Yahoo!JAPANの「話題のツイート」ランキングに入った。ツイッター上で、

  「金沢工大って不思議な人多いん?」
   「何があったんだ」
   「マジですか?」

と心配する声が相次いでいる。元ツイートはすでに削除されたものの、今なお元ツイートをコピーした写真が出回っている。

 学長に一体何があったのか。同大産学連携局の担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、「学長が実際に出したコメントではありません」と明かす。

 担当者によると、この紙は、学生が地域の「達人」と呼ばれる人々に取材して原稿を書くという内容の教育プログラム「達人プロジェクト」の紹介のため作成された学内資料。実際、同プログラムの学内説明会で学生に配布されたらしい。

 「ああああ」は、原稿の規模感がわかるようプログラム受講者の学習成果から一部を切り出した「ダミー記事」だった。

 しかし、説明会に参加していない学生が、ダミー記事を大澤学長の公式コメントであるかのようにネットで拡散。担当者は

  「勘違いなのか、面白半分なのかはわかりませんが、何らかの形で資料だけが一人歩きしてしまったようです」

と語る。

 ちなみに、金沢工業大の教育研究プログラムの公式アカウントも1日、拡散の発端となったツイートに「これはまだ作成途中のものです」と返信している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161102-00000006-jct-soci

これは金沢工業大学の「気品を害ね」てはいないと思う。