『朝日新聞』の記事;
大方の種子植物、動物だと蝸牛やアメフラシや蚯蚓は雌雄同体がノーマルであるけど*1。「珍しいカニ」ということなのだけど、どのくらいの確率で発現するのだろうか。「甲羅の中に精巣と卵巣があった」ということは、ヒトでいうところの「半陰陽」*2とは違って、雄としても雌としても生殖可能、孕ませることも孕むことも可能ということなのだろうか。
雄?雌?珍しいベニズワイガニ 鳥取・境漁港に揚がる杉山匡史
2016年10月17日08時14分
鳥取県の境漁港(同県境港市)に水揚げされたベニズワイガニの中から、雌雄の特徴を持った1匹が見つかり、県水産試験場(同市竹内団地)に持ち込まれた。雄雌を見分ける時の指標となる腹部の「ふんどし」が真ん中を境に雄の特徴の三角形、雌の半円形に分かれている。県外で発見例はあるといい、試験場は保存展示する方針。
試験場によると、市内の水産会社が13日朝、「珍しいカニがあった」と持ち込んだ。体長約50センチで、甲羅の幅は約11センチ、重さは約460グラム。腹側から見て左が雄、右が雌。爪や脚の大きさなど外形の違いははっきりし、甲羅の中に精巣と卵巣があった。日本海で操業中のカニかご漁船が水揚げした中の1匹という。
試験場の清家裕・海洋資源室長(45)は「大量に水揚げされた中から、よく見つけることができた。貴重な個体として、今後の研究に生かしたい」と話した。(杉山匡史)
http://www.asahi.com/articles/ASJBG3QFQJBGPUUB001.html
「雌雄同体」ということだと、アーシュラ・K・ル・グィンの『闇の左手』*3に出てくる「ゲゼン」という惑星の住民に言及しないわけにはいかないだろう。*4。
- 作者: アーシュラ・K・ル・グィン,Ursula K. Le Guin,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
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*1:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%8C%E9%9B%84%E5%90%8C%E4%BD%93
*2:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E9%99%B0%E9%99%BD Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080721/1216572422 なお、象徴的な意味での「両性具有」にはhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060120/1137726992 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060927/1159366397 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090929/1254196767 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150610/1433916539で言及している。
*3:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070712/1184218363
*4:See eg. 「闇の左手 アーシュラ・K・ル・グィン 小尾 芙佐訳 ハヤカワ文庫」http://blog.goo.ne.jp/shirokuma_2007/e/fa8637707aa5f9a5a593a7650f3b59b9 「「闇の左手」下〜性を超えたラブストーリー、という読み方。」http://onlyfavorite.seesaa.net/article/307710644.html 「アーシュラ・K・ル=グウィン「闇の左手」を読んで」http://d.hatena.ne.jp/n0866476/20100717/p1 「ル=グイン書評」http://www2u.biglobe.ne.jp/~mitosan/sfshohyo/sfL01.htm