Andrzej Wajda

そういえば、秋菊小姐の伯父上はかつてアンジェイ・ワイダに憧れてポーランドに留学したことがあったらしい*1
そのアンジェイ・ワイダ監督*2が逝去。享年90歳。
『ハフィントン・ポスト』の記事;


アンジェイ・ワイダ監督が死去 「抵抗3部作」で知られるポーランドの巨匠
The Huffington Post | 執筆者: 安藤健二

投稿日: 2016年10月10日 10時11分 JST 更新: 2016年10月10日 10時11分 JST


ポーランドの映画監督、アンジェイ・ワイダさんが10月9日、90歳で死去した。BBCなどが報じた*3

時事ドットコムによると、ワイダさんは共産主義体制下にあったポーランドで、弾圧を受けながらも反骨精神に満ちあふれた映画を撮り続けた。1954〜58年に発表した「世代」「地下水道」「灰とダイヤモンド」では、反ナチズムを訴えた。この「抵抗3部作」で国際的な評価を獲得。カンヌ国際映画祭で1981年、最高賞パルムドールを受賞した。

ワイダさんは日本との関わりが深く、87年には科学や技術、文化において著しい貢献をした人々に与えられ京都賞」の精神科学・表現芸術部門を受賞。賞金でポーランドクラクフに日本美術技術センターを設立した。2011年の東日本大震災の際には、「苦難の中でも楽観を失わない。それが日本人だ」と激励するメッセージを送っていた。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/10/09/andrzej-wajda_n_12422518.html

地下水道 [DVD]

地下水道 [DVD]

灰とダイヤモンド [DVD]

灰とダイヤモンド [DVD]

今引用してみて気づいたところもあるけど、けっこう突っ込みどころのある記事。「「世代」「地下水道」「灰とダイヤモンド」では、反ナチズムを訴えた」ということだけど、「灰とダイヤモンド」はナチスに対する勝利の後の物語で、「反ナチズム」ではなくて反スターリン主義でしょ。また、「カンヌ国際映画祭で1981年、最高賞パルムドールを受賞した」というセンテンスは「受賞した」作品名が抜けている。「連帯」運動を描いた『鉄の男』。その前提となる『大理石の男』は既に1977年につくられていたのだった。
鉄の男 [DVD]

鉄の男 [DVD]

大理石の男 [DVD]

大理石の男 [DVD]

イデオロギーに引き付けていえば、ナチズムとスターリン主義、つまり全体主義という20世紀が生んだ最も邪悪な政治思想/体制と対決し続けた生涯ということになるのだろう。ただ、『地下水道』や『灰とダイヤモンド』は端的にかっこよかった。『地下水道』や『灰とダイヤモンド』という起点に円環を描いて回帰するかたちになった、晩年の『カティンの森』もマークしておく。
カティンの森 [DVD]

カティンの森 [DVD]