越境(先月と今月)

朝日新聞』の記事;


北朝鮮兵士が越境、中国側銃撃 ロバ解体、肉持ち逃走か

丹東=平賀拓哉

2016年8月26日07時17分



 中朝国境沿いの中国遼寧省丹東で今月、鴨緑江を挟んで対岸にある北朝鮮平安北道新義州から武装した北朝鮮兵士数人が侵入して食料を奪い、中国側の国境警備部隊に銃撃される事件があったことがわかった。「北朝鮮の地方で一時的に食料事情が悪化している」という見方も出ている。


 国境警備部隊関連筋によると、事件は8月上旬の夜、万里の長城の東端とされる観光地「虎山長城」付近で起きた。銃を持った数人の北朝鮮兵士が国境を流れる鴨緑江を渡って丹東側に侵入。民家のロバを殺して刃物で解体し、肉だけを持って逃走したという。追跡した中国側の国境警備部隊が銃撃を加えたが、射殺されたかは不明だ。

 現場近くの住民は「地元の警察から北朝鮮の兵士が侵入してきたと聞いた。よほど空腹だったのだろう」と話した。

 北朝鮮の食料事情は近年好転しているとされ、丹東と橋で結ばれた新義州は中朝貿易の主要ルート上にあり比較的豊かとされる。しかし中朝間を頻繁に往来する中朝関係筋は、北朝鮮で今年6月から「200日戦闘」と呼ばれる増産運動が始まった後、地方から肉や卵などの食料が平壌に供出させられ、一時的に食料事情が悪化している地方もあると指摘。「優先的に食料が確保されるはずの兵士にも、十分に行き渡っていないのではないか」とみる。

 韓国メディアによると、中国吉林省でも先月末、中国側に侵入して略奪行為を行った北朝鮮兵士とみられる5人が中国の治安当局との間で銃撃戦となったとされる。(丹東=平賀拓哉)
http://www.asahi.com/articles/ASJ8T452JJ8TUHBI00J.html

「先月末」の話は、

北朝鮮兵士? 5人が中国側に侵入し略奪行為 銃撃戦に

瀋陽=平賀拓哉

2016年7月29日12時54分


 中朝国境沿いの中国吉林省長白朝鮮族自治県で28日朝、中国側に侵入して略奪行為を行った北朝鮮人5人が中国の治安当局との間で銃撃戦となったと、韓国の聯合ニュースが報じた。5人は北朝鮮兵士とみられ、うち2人は拘束されたが残る3人は逃走。中国側に負傷者が出ているという。

 同ニュースによると、5人は23日夜に図們江(北朝鮮名・豆満江)の対岸にある北朝鮮両江道恵山から銃を持って中国側に侵入し、農村で略奪行為を行っていた。当局は現在も、地元住民に夜間の外出を控えるよう求めているという。

 同自治県から対岸の恵山までの川幅は狭いところでは10メートル程度で、過去にも北朝鮮兵士の越境事件が発生している。地元関係筋によると、脱北や密輸が多いため、近年は警備が強化されているという。(瀋陽=平賀拓哉)
http://www.asahi.com/articles/ASJ7Y2RRBJ7YUHBI00F.html

北朝鮮兵士の越境というと、2014年12月に図們江沿いの延辺朝鮮族自治州和龍市で、単独越境した北朝鮮兵士が中国側住民4名を殺し、自らも中国当局に射殺された事件の記憶もまだ薄れてはいない*1
ところで、「鴨緑江」といえば、大量に出現した筈の、北朝鮮側が〈韓国の陰謀〉と糾弾している蛇はどうなったのだろうか*2