若冲を断念

先週の金曜日の話。
昼間は息子を連れて、国立科学博物館*1の『恐竜博2016』*2に行った。スピノザウルスを初めとして、展示は興味深いものばかりなのだが、展示されているのは所詮は殆ど恐龍の骨なので、4歳児にはちょっと退屈かなと心配した。事後的に訊いたら、けっこう楽しんでいたようだけど。夕方からは、妻と合流して、東京都美術館の『伊藤若冲展』*3を観るつもりだったのだけど、午後5時の段階で3時間待ちだったので、断念。閉館が8時なので、これだと入場したら直ぐに終わりということになる。若冲ってけっこうマニアックな画家だと思うのだけど、いくら生誕300周年だといっても、この盛況ぶりは何なの? 私も既に40年以上も美術館通いをしているけれど、美術展で行列というのは経験したことがない。この社会的・文化的意味について論じている方はいるのだろうか。若冲を断念して、国立西洋美術館*4に向かった。『カラヴァッジョ展』*5である。こちらの方は行列などなくすんなりと入れたけれど、息苦しくなるほど混んでいた。展覧会のタイトルは《カラヴァッジョとそのフォロワーたち》とした方が正確なのだろうけど、それはともかくとして、カラヴァッジオの作品を11点も観るのは勿論初めてであり、(世界初公開という)「法悦のマグダラのマリア*6を初めとして、疲れたけれど濃厚な視覚体験をさせてもらった。
土曜日は地下鉄清澄白河駅から歩いて、Blue Bottle Coffee*7で30分行列をして珈琲を飲んだ。清澄白河駅で降りたのはほぼ10年ぶりなのだが、10年前は辺りに「カフェが全然ない」ことを嘆いていたのだった*8