直説法から命令法へ

朝日新聞』の記事;


スマホ画面に「罰金払え」 ランサムウェア被害を初確認

2016年3月18日23時59分

 スマートフォンが操作できなくなり、画面に「罰金を支払え」などと表示される――。「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるウイルスによる被害を愛知県警が確認し、18日発表した。スマホで、この種のウイルス感染の被害を警察が確認するのは全国で初めて。県警は「解除できるので安易に支払わないで」と呼びかける。

 県警サイバー犯罪対策課によると、14日に同県岡崎市の40代男性から「スマホの画面がロックされ、使えなくなった」と相談が寄せられた。「オンライン海賊行為防止法に違反した」などの表示が出て、ロックを解除するには、1万円分の電子マネー「iTunes(アイチューンズ)ギフトカード」を買って、そのシリアル番号を入力するよう誘導される。同課が解析したところ、ウイルスを検出した。

 男性のスマホは、基本ソフトに米グーグルの「アンドロイド」を使う機種。男性はサイトを閲覧中に、基本ソフトのアップデートを装う不正アプリをインストールしてしまい、感染したとみられる。同種のウイルスは、日本では数年前からパソコンでの被害が報告されている。

 セーフモードで端末を再起動し、不正アプリを削除すると、ウイルスを駆除できる場合もある。県警の担当者は「スマホでもウイルス対策ソフトを利用してほしい」などと呼びかける。削除方法は県警のホームページ(http://www.pref.aichi.jp/police/anzen/cyber/index.html)に掲載している。
http://www.asahi.com/articles/ASJ3L62SSJ3LOIPE03S.html

元の記事には、ランサムウェアに感染された画面のスクリーン・ショットがあるのだけど、このランサムウェアの日本語がかなりぶっ壊れた日本語なのだった。「残り時間は、罰金を支払います」だよ。主語は何だ? 「残り時間」か? というか、「罰金を支払います」って、直説法じゃないか。記者はそれを「罰金を支払え」という普通の命令文に翻訳している。しかし、全てのランサムウェアがぶっ壊れた日本語というわけではないようだ。それどころか、立派な日本語(或いは英語)を使い、真正な警察などの政府機関からの警告文なのだと被害者が信じやすくなっている*1
ランサムウェア」を巡っては、例えば


Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%83%A0%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2
ランサムウェアとは」https://www.microsoft.com/ja-jp/security/resources/ransomware-whatis.aspx
Kate Kochetkova「ランサムウェアからファイルを守るための10のヒント」https://blog.kaspersky.co.jp/ransomware-10-tips/9717/
独立行政法人情報処理推進機構技術本部セキュリティセンター「「ランサムウェア感染被害に備えて定期的なバックアップを」〜組織における感染は組織全体に被害を及ぼす可能性も〜」https://www.ipa.go.jp/security/txt/2016/01outline.html
Rakesh Krishnan「Wordファイルを開くだけでPCが乗っ取られるランサムウェア「Locky」」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160318-00010004-cyberir-sci


以上のソースは基本的にPC向けの情報であって、スマートフォンタブレットのためには別情報で補足する必要があるか。
ランサムウェアということで思い当たる節はあるよ。スパム・メイルは去年あたりから全体の数としては激減しているけど、ここ数か月間、請求書などを装った、zipファイル付きのメイルが増えてきているのだ。これはランサムウェア感染の主要経路とされている。