- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/05/28
- メディア: 文庫
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12の短篇からなる。これらの短篇は、表題作以外でも、「辻」という共通のトポスを持っているとえいる。ベタな言い方で申し訳ないが、分岐点或いは合流点。表紙に横尾忠則*2の絵を使えばよかったのに、というのは、これまたベタすぎるか。この本の腰巻には、又吉直樹の
辻
風
役
割符
受胎
草原
暖かい髭
林の声
雪明り
半日の花
白い軒
始まり
という言葉が載っている。優れて的確な感想。
豊潤な言葉の連なりに身を任せると、実感を伴う風景が拡がり、感覚が研ぎ澄まされて行く。至福の読書体験でした。
最後の大江健三郎との対談は、文庫本のおまけとしては勿体ないくらい濃い内容。
*1:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160222/1456108922
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20081008/1223493959 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090904/1252003896 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101106/1289015746 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110615/1308109789 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20121019/1350608158 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130905/1378386198 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20151130/1448855382