Hirai's response etc.

Agence France-Presse “Sony chief: we are proud of resistance to “vicious and malicious” hacking” http://www.theguardian.com/film/2015/jan/06/sony-chief-proud-resisted-vicious-malicious-hacking-criminals


映画The InterviewSony Picturesへのサイバー攻撃*1を巡っての、平井一夫ソニー社長*2の初めての公的発言。ラス・ヴェガスでの「家電展」にて。
記事に曰く、


Hirai thanked supporters who stood by the company in the face of the devastating cyber assault, including employees and movie-goers who saw the film when it finally hit theatres.

“Freedom of speech, freedom of expression, freedom of association - those are important lifelines of Sony and our entertainment business,” Hirai said at a press event.

His comments on the eve of the Consumer Electronics Show in Las Vegas marked his first public statements about the attack on the Japanese company’s film and television unit.

“We are proud of partners who stood up against extortionist efforts by criminals who attacked Sony,” Hirai said.

Sony employees, he added, “were victims of one of the most vicious and malicious cyber attacks we have known, certainly in recent history.”

但し、平井氏はThe Interviewの内容に介入しようとしたことも明らかにしている。
『毎日』の記事;

正恩氏映画:ソニー平井社長「責任者として内容に注文」

毎日新聞 2015年01月07日 10時40分


 【ラスベガス清水憲司】ソニー平井一夫社長は6日、北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)第1書記の暗殺を題材にしたコメディー映画をめぐり、平井氏が表現を弱めるよう製作陣に指示したとの米紙報道について、「グループの責任者として商品に意見を出すことはある」と述べた。映画の内容に注文を付けたことを事実上、認めた形だ。

 同日開幕した家電見本市の会場で記者団に語った。平井氏は「表現の自由を妨げるものでは全くない」とも述べた。

 米紙ニューヨーク・タイムズは昨年12月、ソニーの米映画子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)が製作した「ザ・インタビュー」について、平井社長が昨夏、北朝鮮からの妨害に困り暗殺場面の描写を弱めるよう指示したと報じた。

 平井氏はこの報道に関し、一般論とした上で「商品やコンテンツをより良くするため、責任者として(現場に)コメントを出している」と説明。ただ、「著作物を作っていく中での編集行為」と述べ、映画を公開するかどうかをめぐる表現の自由とは別問題であり、サイバー攻撃に屈したことはないとの認識を示した。
http://mainichi.jp/select/news/20150107k0000e020169000c.html

それにしても、「正恩氏映画」とは凄い表現。
この映画The InterviewSony Picturesへのサイバー攻撃問題に関しては、日本語の記事や論説はそれほど読んでいない。というか、あまり論評されていないようだ。木村正人*3ソニー映画会社への北朝鮮サイバー攻撃を「対岸の火事」で済ませるな 安倍政権は当事者として積極的関与を」という記事によれば*4、日本におけるこの話題への「関心は恐ろしく低い」という。木村氏は「低い」理由として、AP通信が指摘する、日本の「大手新聞の編集者も記者もテクノロジーに関する深い知識を持たず、技術的に複雑なニュースを避ける傾向がある」ことと、「日本メディアは」Sony Picturesを米国企業であると認識し、この事件を「日本の国内問題というより、むしろ米国の問題とみている」ことを挙げている。そうなんだと思いつつ、神田敏晶*5「米オバマ大統領、サイバーテロでついに北朝鮮制裁へサイン!」という記事の冒頭に引用されている共同通信の記事*6を読む。注目したのは「ソニーの米映画子会社」という表現。「ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント」という正式名称でも、通用している略称の「ソニー・ピクチャーズ」でもなく、「ソニーの米映画子会社」。とても Sony Picturesを米国企業であると認識しているとは思えない。私が読んだ英語圏の記事で、社名に言及せずに、たんに「ソニーの米映画子会社」といっているようなものは殆どなかった。例外的なもののひとつは、上掲のAFPの記事だが、この記事は親会社のトップの言説にフォーカスした記事なので、この共同の記事と同列では論じられない。1989年にソニーがコロンビアを買収したとき、日本では、日本企業が金に物を言わせてハリウッド映画のスタディオを買収するのは如何なものか、米国の国民感情を傷つけるのではないか、といった自虐的な議論もけっこうあったことを、共同通信の記者は忘れたのだろうか。まあ、米国であれ何処であれ、国民感情なんていうのはどうでもいいのだが、「ソニーの米映画子会社」という表現は〈映画〉という文化に対して冒瀆的であるといえる。Sony Picturesの前身であるコロンビアはソニー本体よりもずっと古い。それを「 ソニーの米映画子会社」で済ませる品性ってどうよということだ。

さて、話は大西洋を越えて、仏蘭西の巴里へ。


Claire Phipps and Alexandra Topping “Charlie Hebdo shooting: eleven dead at Paris offices of satirical magazine – live updates” http://www.theguardian.com/world/live/2015/jan/07/shooting-paris-satirical-magazine-charlie-hebdo
Kim Willsher “Satirical French magazine Charlie Hebdo attacked by gunmen” http://www.theguardian.com/world/2015/jan/07/satirical-french-magazine-charlie-hebdo-attacked-by-gunmen


週刊新聞Charlie Hebdo編集部が何者かによって銃撃され、編集部員10名と警察官2名が殺された。Charlie Hebdoは2011年に預言者ムハマンドのカリカチュアを載せて、編集部に火炎瓶を投げ込まれて、オフィスが全焼している。Charlie Hebdoは幾度かイスラームをおちょくっているのだが、反イスラームというよりも反権威。最初のブレイクは、1970年に死んだばかりのドゴールをおちょくって発禁になったこと*7