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承前*1

スポニチ』の記事;


英和辞典「ジーニアス」編さん教授 論文盗用で懲戒解雇


 龍谷大と京都府立大、神戸市外国語大は31日、京都市内で合同記者会見を開き、中高生を中心に人気の英和辞典「ジーニアス」の編集に携わった龍谷大の菅山謙正特任教授(61)が執筆した英語学に関する論文20本以上で盗用が発覚したと発表した。「引用のつもりだったが、盗用と受け取られても仕方がない。猛省している」と話しているという。

 龍谷大は菅山氏を懲戒解雇。STAP細胞論文問題などで世間に広がった研究者への不信感に敏感になっており、赤松徹眞学長は「高等教育機関を代表する者として、事態を極めて重く受け止めている」などとする声明を出した。

 菅山氏が以前勤めていた京都府立大と神戸市外大は、それぞれ名誉教授の称号を取り消した。

 3大学によると、菅山氏は1983年4月〜2006年3月に助教授や教授として勤務していた神戸市外大で5本、06年4月〜13年3月に教授だった京都府立大で16本の論文や原稿の一部をそれぞれ盗用。13年4月から特任教授となった龍谷大では、講演会や研究発表で用いた原稿2本の一部に書き写しがあった。

 論文や原稿は全て英文法に関するもので、全体の約8割を盗用したケースもあった。盗用は神戸市外大にいた92年ごろから始めたとみられる。

 菅山氏は3大学で学部生や大学院生向けの英語学の授業を担当。神戸市外大時代には「ジーニアス」(大修館書店)など、多くの辞典や文法書の執筆や編集作業に携わった。

 今年1月、匿名の通報があり、3大学が合同で本人への聞き取りなどの調査を実施。3大学は「誠に遺憾で、おわび申し上げる。研究不正の再発防止に努めたい」とのコメントを出した。

 ◇ジーニアス(GENIUS=天才) 1987年11月に初版発行。現在4版目で、累計発行部数は800万部以上。文法などの細かな説明が充実しており、指定辞書としている学校も多い。英和、和英、単語集などと合わせて「ジーニアス=ファミリー」とも呼ばれる。菅山氏ら神戸市外大のスタッフが多く参加した和英辞典は「彼は阪神タイガースのグラウンド整備員として、その生涯を終えた」など、阪神に関する例文が多いと話題になった。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/11/01/kiji/K20141101009204300.html

この『スポニチ』のプレゼンテーションの仕方は巧いと思う。
ジーニアス』という辞書は使ったことがなかったのだ。だから、「中高生を中心に人気」だとか、「指定辞書としている学校も多い」とか、「和英辞典は「彼は阪神タイガースのグラウンド整備員として、その生涯を終えた」など、阪神に関する例文が多いと話題になった」とか初めて知った*2
英語の辞書に関しては、高校1年で(副島隆彦が大嫌いなので有名な)研究社の『中辞典』*3を使い始めて以来、ずっと研究社のものを使っている。まあ、1980年代中頃からは、『中辞典』ではなく『リーダーズ』を、小学館の『プログレッシヴ』と併用しているのだが。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141031/1414769494

*2:当然、名古屋や広島の学校では禁止されている筈だ。

*3:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091213/1260690335