http://blog.goo.ne.jp/hj_ondr/e/2ca072987f15c9ac2afd755b11668b7c
2012年に出た宮台真司と大塚英志の対談本『愚民社会』が紹介されている。
大塚の発言を孫引き的にメモ;
大塚の謂う「土人」は勿論浅田彰の言を踏まえている。
大塚 宮台さんのおしやつている*1ことはどんどん柳田の「公民の民俗学」に近づいていっています。自分のいる、今、この場所で、公共性や社会を形成していく責任を引き受け、それは具体的には自身の言葉で合理的に考えていくということです。「共同体エリート」とは柳田が『明治大正史 世相編』の中で「選手」という形容をしているあり方に重なります。
でもやはり問題はそこから先だということに戻ります。宮台さんが育てるとすればそうした理論的前衛ですよね。「誘導する」側です。でも、思想を具体化する設計された制度を動かす必要もある。さっきいった小さなリーダーの問題ですが、具体的にはそれを各々の行動の中で振る舞い、行動として、あるいは嚙み砕かれた言葉として使っていけるような人間たちをつくっていかなければいけないわけです。それは「土人の近代化」というプログラム抜きにはあり得ない。「草の根運動」は「草の根」が「バカ」ならアメリカのティーパーティーにしかなりません
もちろん、前衛やエリートが大衆が「動物」や「土人」でただ欲望と本能で動いていってもなんとかなる社会を設計できるっていうならすればいいし、WEBってツールは「土人」統治にはよく向いている気がします。でも、WEBで「土人」を統治する社会にぼくは関わりたくない。
柳田國男が考えていた理想というのは、エリート階級の構築ではなくて、共同体の中での上位グループの実践的教育による近代化の達成です。その人たちが、理論的抽象的概念ではなく、具体的な振る舞いであるとか、民俗学でいうと習慣ですよね。習慣そのものの修正とか再設計をたぶん柳田は野心していたんですよね。
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*1:おっしゃっている?