「龍美術館」がすごいこと

昨年12月に開館した「龍美術館(Long Museum)」*1へ行ってきた。 龍美術館は上海における「最初のプライヴェート・コレクションに基づく美術館」で、上海の富豪、劉益謙・王薇夫妻のコレクションを展示したもの。 劉益謙について、TimeOut Shanghai (March 2013)の記事曰く、


Leaving school at fourteen, Liu spent his early years driving taxis and selling bags in Shanghai. He was 27 when he bought his first share in a company near the family bag stall and within a year, 100RMB had turned into 10,000RMB. Now 50, the father of four is worth an estimated 790 million USD according to Forbes and is reported to have invested further one billlion in Chinese art.
この美術館は浦東の某高級住宅地の一角にあり、日曜日にも拘わらず、参観者も疎らではある。展示は現代アート、近代美術、延安以来のプロパガンダ・アート、伝統美術に別れている。栗憲庭をゲスト・キューレーターに迎えた現代アートの部では、王廣義、岳敏君、方力鈞*2、曽梵志、張恩利*3などを網羅し、伝統美術では宋の徽宗の「写生珍禽図」や清の雍正帝が写経した『金剛経』など。また、こんなところで八大山人の作品に出会えるとは思わなかった。とにかく、このように宋代から現代まで中国美術のエッセンスがぎゅっと詰まったコレクションは中国国内にも国外にもないのではないか。また龍美術館は劉・王夫妻のコレクションの一部にすぎず、そのコレクションに基づき、年内には浦西にも美術館が開館するという。
龍美術館に近いKerry Parkside地下にできていたヴェジタリアン・レストランLive Kushはなかなかよい*4