上海のアレイスター・クロウリー

Ned Kelly “Crowley: The Beast 666” that's Shanghai November 2011, pp.28-29


オカルティストのアレイスター・クロウリー1906年4月に上海を訪れていたことを知る。曰く、”The visit was to see Elaine Simpson, a former mistress and fellow member of Hermetic Order of the Golden Dawn, a British secret society dedicated to the study and practice of the occult.”(p.28) しかしながら昔の彼女との再会だけが目的だったわけではない。
クロウリーはブラム・ストーカーやイェイツと袂を分かった後、ネス湖の畔にBoleskine Houseを買い、自らの守護天使を呼び出すために、Abramelinという儀礼を執行した。Abramelinは何世紀もの間誰も行ったことがないという6か月に亙る黒魔術の儀礼で、守護天使を呼び出す前段として、ルシファー、サタン、リヴァイアサンを含む12柱の「地獄の王侯(Kings and Dukes of Hell)」を勧請しなければならない。しかし、クロウリーはAbramelinを完遂できず、メヒコを経て桑港に移る。桑港ではチャイナタウンに住み、そこで初めて中国宗教・中国思想に関心を持った。1903年クロウリーはRose Kellyと結婚し、1904年に新婚旅行で埃及へ行き、そこで初めてAiwassと名乗る守護天使とコミュニケーションした。しかしクロウリーは自らの体験の「真正性」に確信が持てなかった。そして、クロウリー夫妻は印度を経て、1905年末、ビルマ国境から中国に入った。


(…) Traveling overland from Burma, as he crossed the river that marked the border with Yunnan Province he dismounted from his pony to stretch his legs. Once limbered, he attempted to remount, but the beast reared, sending them both crashing down a 40-foot cliff.


Lying on the ground looking back at the length of his fall, Crowley waited for the pain of his broken body to kick in. It didn't. Unscathed, he became convinced that he was being protected for some prophetic purpose, and now believed himself to be the world's greatest magus. He threw himself into his spiritual and magical work, reciting a preliminary invocation daily in order to once again get in contact with his Holy Guardian Angel. (ibid.)

さて、クロウリービルマ経由での中国(雲南)入りについて、Secret Agent 666: Aleister Crowley, British Intelligence and the Occultという本の著者Richard B. Spenceは、クロウリーが英国のスパイとして活動していないのではないかと言っている(p.29)。当時、仏蘭西による雲南トンキン鉄道建設に伴い、雲南では英仏間の緊張が高まっていた。そもそも英国の縄張りであったビルマ仏蘭西の縄張りであったインドシナに接するだけでなく、中華世界と印度世界の狭間*1でもある雲南は英国にとって戦略的に重要な土地であり、『紫禁城の黄昏』のジョンストンも後に雲南ビルマを旅行し、英国政府に秘密報告書を提出している。
紫禁城の黄昏 (岩波文庫)

紫禁城の黄昏 (岩波文庫)

話を戻すと、1906年3月にRose Kellyは独りで英国に戻ることになり、他方クロウリーはElaine Simpson(Semper Fidelis)とともに守護天使を呼び出す儀礼を執行するために、上海へ向かった。

Although Crowley had not seen Simpson for a number of years, they had kept in touch by means of astral journeys-psychic meetings on another plane of existence. It was something that her mother (described by Crowley as “a sixth-rate singer, a first rate snob, with dewlaps and a paunch; a match-maker, mischief-maker, maudlin and muddle-headed”) was not happy about. (…)


On arrival Crowley and Simpson began working magic together, and she agreed to assist him invoking Aiwass once again. On April 20 they “went into her temple” where, Crowley explains in his Confessions, the spirit appeared to them on the astral plane in brilliant blue with wand in hand. “He has followed you all along,” Simpson explained. “He wants you to follow his Cult.”
Aiwass instructed Crowley to return to Egypt,where he would be given three signs. Simpson was not to accompany him though. “Do not take Fidelis. I do not like the relations between you two; break them off!” the spirits declared. “Yet I would wish you to love physically, to make perfect the cycle of your union. Fidelis will not do so, therefore she is useless. If she did, she would become useful.”


In other words, useless Simpson would have sex with Crowley, she was to be cast aside. Married, she remained faithful to her husband. Crowley left Shanghai on April 21, for America rather than Egypt, where he hoped to raise funds for a second expedition to Kangchenjunga. “On the 22nd I was sick and stayed in bed all day,” he wrote. “I did no regular invocation, but thought over the recent crisis. I dismissed the Shanghai experience as a morbid dream.” (ibid.)


クロウリーの最期について;

(…) He drifted into full-blown heroin addiction, eventually dying in a boarding house in Hastings, England in 1947, after his doctor had refused to continue his opiate prescription. The doctor died within 24 hours of Crowley. It is believed the Beast 666 had put a curse on him.(ibid.)
島弘之『月に憑かれて』にクロウリーの「テレマの僧院」についての言及があった筈*2
月に憑かれて

月に憑かれて

それから


Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Aleister_Crowley
The Libri of Aleister Crowley
http://hermetic.com/crowley/
(ここではクロウリーのテクストを読むことができる)


クロウリーと比べるのも失礼な気がするが、取り敢えず;


少女を強姦容疑 61歳歯科医と28歳妻



 除霊と称して10代の少女に乱暴したとして、警視庁府中署は16日、強姦(ごうかん)致傷の疑いで、東京都国分寺市西町の歯科医石川潔容疑者(61)と妻の香織容疑者(28)を逮捕した。

 2人の逮捕容疑は8月、深夜に都内の少女宅に押しかけて1人でいた少女に乱暴し、けがを負わせた疑い。

 府中署によると、2人は容疑を否認している。

 潔容疑者らが開いていた宗教的な集まりに少女の母親が参加し、潔容疑者らは少女とも面識があったという。

 両親が8月下旬に警視庁に相談に訪れ、被害が発覚。11月に告訴していた。

 潔容疑者は府中市で歯科医院を開業。府中署は潔容疑者の自宅や歯科医院を家宅捜索し、ほかに被害者がいないか調べている。

 歯科医院のホームページによると、潔容疑者は空手や中国武術の有段者という。(共同)

 [2011年11月16日22時11分]
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20111116-864340.html


お経を唱えながら女子中学生の体触る 性的虐待歯科医、両親も“洗脳”乱暴黙認
2011.11.17 11:36 (1/2ページ)


 逮捕された石川潔容疑者らは、女子生徒の父親に対しても「これは儀式だ」と言い張り、乱暴を黙認させていたとみられている。宗教的な集会に母親を参加させ、実質的な支配下に置くなど、両親と女子生徒は「マインドコントロール」されていた疑いがある。“洗脳”はいかに行われていったのか。不可解な関係の解明が始まった。

お経唱えながら

 「悪い霊がついている」。捜査関係者によると、たびたび女子生徒の自宅マンションを訪れていた石川容疑者は、こう言って、お経を唱えながら、生徒の体を触り続けたという。

 女子生徒は座って、じっと耐えるだけ。その脇に父親がいることもしばしばあったが、その様子を見守るだけで、暴行を止めようとすることはなかったとみられる。

 抵抗した形跡はなく、行為は長いときで数時間にも及んだという。

 異常な行為はマンションだけではなく、石川容疑者の歯科医院でも行われていたようだ。

 女子生徒は父親とともに呼び出され、服を脱ぐように命じられたうえ、暴言を浴びせられることもあったとされる。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111117/crm11111711410007-n1.htm

母親も支配下

 知人らによると、石川容疑者は日頃から、宗教的な集会を開いており、そこに女子生徒の母親も参加していたという。歯科医院でも「君には悪霊が取りついている」と患者の不安をあおり、集会に誘うようなこともあったほか、自宅周辺でぶつぶつとお経のような言葉を唱えたりしているのも、周辺住民に目撃されている。

 「女子生徒の父親は石川容疑者を信奉するようになっていたようだ」。捜査関係者は打ち明ける。母親も実質的な支配下に置かれているような状態だった。石川容疑者の命令で離婚させられたうえ、都外の家から自宅に呼び出され、家族の世話などをさせられることもあったという。

 新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は「マインドコントロールされた場合、親族に対しても、異常な行動をすることはよくある。不安をあおられ、暴力をふるわれて感情を支配されると、抜け出すのは容易でない」と指摘する。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111117/crm11111711410007-n2.htm


虐待歯科医、女子中学生宅の合鍵所持 連日訪問し乱暴か 両親の離婚も命令
2011.11.17 18:05

 「除霊」と称して中学生の女子生徒(13)に乱暴したとされる事件で、警視庁に強(ごう)姦(かん)致傷容疑で逮捕された歯科医師、石川潔容疑者(61)=東京都国分寺市西町=が、女子生徒が住むマンションの合鍵を所持していたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は、石川容疑者が連日、深夜にマンションを訪れ、乱暴した疑いがあるとみている。

 捜査関係者によると、女子生徒の父親は石川容疑者に心理的に抑圧され、反抗できない状態だったという。このため、石川容疑者が父親らに合鍵を渡すよう要求し、暴行をエスカレートさせていった可能性もあるとみて、警視庁が鍵を入手した経緯などを調べている。

 女子生徒の父親と母親は石川容疑者の命令で離婚させられるなど、「マインドコントロール」されていた疑いがある。父親は単身赴任し、母親も別居していたため、女子生徒は普段、自宅に1人きりでいることが多かったという。

 これまでの調べで、石川容疑者は今年8月ごろ、東京都府中市内に住む中学生の女子生徒の自宅マンションを訪れ「除霊」などと称し生徒に乱暴、負傷させた疑いが持たれている。

 一方、警視庁は17日、同容疑で逮捕した石川容疑者の妻(28)の名前を「香織」から「香里」に訂正した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111117/crm11111714240016-n1.htm