承前*1
東日本大震災 による文化財への被害について。
『朝日』の記事;
また、
東日本大震災、文化財の被害275件 天心の六角堂も流失2011年3月22日15時21分
東日本大震災による文化財の被害が次々判明している。文化庁によると、国関連の文化財の被害は21日午前5時現在、計295件に達した。同庁は茨城県桜川市に文化財調査官を派遣するなど現地調査も始めた。
瑞巌寺など国宝が4件のほか、名勝の中の「国宝級」である特別名勝でも、小石川後楽園(東京都)や旧浜離宮庭園(同)など4件の被害が出た。横山のウグイ生息地(宮城県登米市)がポンプ停止で池水位が下がるなど天然記念物も11件の被害が出ている。
深刻な被害も少なくない。近代美術を指導した岡倉天心がデザインした茨城大学五浦美術文化研究所六角堂(茨城県北茨城市)は建物ごと津波に流された。六角堂は岬の端にあり、天心の思索の場だった。同研究所の副所長で茨城大教授の小泉晋弥さんは「陸と海がせめぎ合う場が持つ六角堂の緊張感は天心の芸術思想そのものだった。喪失のショックは大きすぎて、まだ受け入れられない」と話す。
重要文化財の東照宮(仙台市)では石灯籠(いしどうろう)の8割が崩壊し、特別史跡で重要文化財の旧弘道館(水戸市)は鐘楼が全壊したという。
文化庁は、地元の自治体が調査に協力できるなど、混乱が落ち着いた地域から順次、現地調査していく方針だ。17日には、江戸時代の蔵造(くらづくり)の町家が残る茨城県桜川市の真壁地区に調査官2人を派遣した。同地区は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。多数の建物で瓦が落下するなどの被害が確認されたという。(赤田康和)
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201103220283.html
収蔵品の一部に被害 東北・茨城の美術館2011年3月23日14時57分
東日本大震災は、地元の美術館にも大きな影響を与えた。宮城県気仙沼市にあるリアス・アーク美術館は建物に大きな被害を受けた。だが、東北6県と茨城県の主な美術館では、けが人はなく、収蔵品への被害も心配されたほどではなかった。
気仙沼市と南三陸町が管理運営するリアス・アーク美術館は、津波が押し寄せた沿岸部の丘の上にある。津波被害こそ免れたが、壁が割れ、天井の一部が抜け落ち、数点の作品に被害があった。山内宏泰主任学芸員は「行政も美術館にまで手が回らない。復旧は困難だ」と話す。
仙台市の宮城県美術館では、免震台などの対策をしていたため、所蔵品に被害はなかった。有川幾夫副館長は「来場者にけがも無くほっとした」。岩手県では、盛岡市の県立美術館で彫刻数点が倒れた。花巻市の萬鉄五郎記念美術館の所蔵品は無事だった。福島県では、福島県立美術館でやきもの1点が、いわき市立美術館で彫刻1点が倒れた。青森県の県立美術館、十和田市現代美術館、八戸市美術館、秋田県の県立近代美術館、山形県の山形美術館では所蔵品に被害はなかった。
茨城県では、水戸芸術館でホールにあるパイプオルガンのパイプが落下、展示中の作品も一部が崩れた。茨城県近代美術館は、2体の等身大のブロンズ彫刻など数点の彫刻が倒れたという。北茨城市の県天心記念五浦美術館は駐車場や庭園に地割れや断層ができた。県陶芸美術館は「古陶の譜」に展示していた作品数点が傷ついた。
東北6県と茨城の主な美術館は、ほとんどの館が現在、休館中だ。
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201103230294.html
「歴史学研究会」による「被災歴史資料保全活動」の呼びかけ(Ted Bester氏がEastAsian Anthropologist MLに転送したもの);
【協力のお願い】被災歴史資料保全活動への支援募金のお願い【 歴研】歴史学研究会会員の皆様
本会の協力団体である歴史資料ネットワークから今回の大震災に対 応した被災資料保全活動への協力のお願いをいただきました。 会員の皆様には どうぞふるってご協力いただければ幸いです。
歴史学研究会委員会
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東北地方太平洋沖地 震(東北・関東大震災)による被災歴史資料保全活動への支援募金のお願い歴史資料ネットワーク
去る3 月11 日の東北地方太平洋沖地震(東北・関東大震災)とそれにともなう津波により、岩手・宮城・福島・ 茨城など多くの地域で甚大な被害が発生しました。不自由な 生活を余儀なくされている被災者の皆様にお見舞い申し上げますとともに、 犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
歴史資料ネットワークでは現在、各方面と連絡をとりつつ、 被災地の状況の情報収集に努めております。しかしながら、 今回の地震の被災の規模は甚大かつ広範囲にわたるものであり、今後、 長期にわたる活動が必要とされることが予想されます。
さらに今後、被災地に存在する宮城歴史資料保全ネットワーク、 ふくしま歴史資料保存ネットワーク、山形文化財保存ネットワーク、 新潟歴史資料救済ネットワーク、 千葉県文化財救済ネットワークなどを中心とした歴史資料・文化財の救済・保全活動が開始された際、 多くの時間と資金が必要となることも考えられます。
これまでも大規模な災害が起きるとそれを契機に家や蔵、 公民館や集会所などに古くから保管されていた歴史資料が盗難にあったり、 被災地の混乱の中で売られたり、捨てられたりすることが多く、 それにより、 家族や地域の大切な記憶が失われてしまうということが起こってい ます。地域における歴史資料の流出・滅失を防ぐために、 各方面と連携をとりつつ、すぐにでも歴史資料救出・保全活動を開始する必要がありま す。また、被災地の史料(資料)ネットの活動再開に備えて、 その活動をバックアップする体制を整えておく必要があります。皆様には被災した地域の歴史資料の救出・ 保全活動の必要性について是非ともご理解を賜り、 現地の歴史資料保全救済活動を支えるための募金をおよせいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
東北地方太平洋沖地震(東北・関東大震災) による被災歴史資料保全活動支援募金
* (郵便振替)口座番号:00930−1−53945
* 加入者名:歴史資料ネットワーク本件に関する連絡先:
〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 神戸大学文学部内歴史資料ネットワーク
電話&FAX:(省略)
URL:http://blogs.yahoo.co.jp/siryo_net