「わいざつ」?

久々の橋下徹ネタ*1
『朝日』の記事;


橋下知事「小さい頃からギャンブルを。国民を勝負師に」

2010年10月28日23時4分


 大阪府橋下徹知事は28日、カジノの合法化をめざす国会議員らを招いた「ギャンブリング*ゲーミング学会」の大会に出席し、「ギャンブルを遠ざける故、坊ちゃんの国になった。小さい頃からギャンブルをしっかり積み重ね、全国民を勝負師にするためにも、カジノ法案を通してください」と議員らにカジノ合法化を求めた。

 同学会は東京都内のホテルで開かれ、カジノ合法化をめざす超党派の「国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)」の国会議員らが出席。議連会長の古賀一成衆院議員(民主)がこの場で、来年の通常国会カジノ法案を提出したいと述べた。

 橋下知事はカジノを含む統合型リゾート施設の府内への誘致をめざしており、この日も「増税よりカジノ。収益の一部は教育、福祉、医療に回す。隣の兵庫県知事が反対しても無視。わいざつなものは全部大阪が引き受ける」と語った。
http://www.asahi.com/politics/update/1028/OSK201010280155.html

まあ「カジノ合法化」に反対ではないけれど、どの国のカジノでもお子様は立入り禁止だと思う。
それから、橋下にとって、カジノというのは「わいざつなもの」なのか。猥雑なのは橋下の人格というか理屈付けであって、カジノそのものは「わいざつなもの」として受け取られていないというか、カジノに行く人は「わいざつなもの」を求めて行くわけではないだろう。猥雑な博打なら既にボートとかあるわけだし、さらに橋下の足元の釜ヶ崎辺りで三下のやくざがちんちろりんとかで仕事にあぶれた労働者から小銭を巻上げたりしているわけだ。カジノというのは、モンテカルロのようなヨーロッパのカジノなら頽廃したエレガンスというイメージがあるわけだし、他方米国のラスヴェガスは鉄火場というよりもご家族連れで娯しめるレジャー都市である。橋下流の「わいざつ」路線で、いったい客は来るのか。
ところで、「カジノ合法化」だけれど、米国の産業貿易政策が絡んでいるということはないのか。また、日本国内にカジノを演出し・マネジメントしていく能力がある企業というのはあるのか。もしなければ、外資特に米国のラスヴェガス資本ということになる。中国政府が澳門黒社会を抑えるためにラスヴェガス資本を導入したのに続いて、日本の「カジノ合法化」というのはかなり美味しい話だということになる。もし外資が嫌だったら、和風、日本文化を強調した丁半博打ということになる。これならマネジメント能力は日本にまだ残っているだろうし、澳門ラスヴェガスとも差異化が図れるということになる。
ラスヴェガス論ということで、ウンベルト・エーコの”Travels in Hyperreality”という米国紀行エッセイがあったということを思い出す。
Travels in Hyperreality: Essays (Picador Books)

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