経済思想さん経由で知る。
『夕刊フジ』の記事;
先ず誤解を招くタイトルだ。変な期待をしてしまったではないか。また、早速飲み屋などで見知らぬ異性と安易に「意気投合」するのは止めようと決意する方も早速少なからず出ているようだ。
ハメられた!? 青山学院トップ、ラブホ動画流出
2010年08月27日17時00分 / 提供:ZAKZAK(夕刊フジ)
★「もう1軒、と言われ…」反発勢力撮影か
幼稚園から大学院まで学生総数2万5000人を擁する青山学院(東京都渋谷区)のトップが、若い女性とラブホテルに入るシーンなどを撮った動画を入手した。青山学院では一昨年春に初等部長の人事に関する怪文書が出回り、今年7月には理事長の再任が理事会で否決されるなど混乱が続いている。この動画も新たな波紋を呼びそうだ。
DVDに収められた動画は、今月23日夜から24日未明にかけて東京都内で撮影されたもの。写っているのは山北宣久・第13代青山学院院長(69)だ。傍らには30代前半で、山北氏より長身の女性が寄り添っている。顔は山本モナ似の細身の美人だ。
山北氏は23日夜、青学大の男性教授と六本木の飲食店で会食。その店に女性2人が入店するところから動画は始まっている。それからしばらくして、山北氏と教授は女性2人を伴って退店。4人で恵比寿の店へ移動した。2軒目を出た24日未明、4人は男女2組のカップルとなってラブホテル街が並ぶ一角をそぞろ歩く。手をつないで先を行く山北氏と女性は、ほどなく教授のカップルと別れ、腕を絡ませたままラブホテルの門をくぐってしまった。山北氏は妻帯者だ。
ただ、画面のタイムカウンターによると、山北氏と女性はわずか1分でラブホテルを退出。その後、2人はタクシーで山北氏が運営する渋谷の教会兼自宅へ移動し、玄関から自宅に入った。だが、女性は10分足らずで家を出て、上着を脱いだ山北氏に見送られながら1人タクシーに乗り込んだ。
この動画の“主役”山北氏について青山学院関係者は次のように言う。
「山北氏は、国内のプロテスタント教派で構成する『日本基督教団』の代表者です。青学は約2年にわたり院長が不在だったため、今年7月に山北氏を招きました。山北氏は青学の卒業生でも教授でもありませんが女子短大で十数年間、非常勤でキリスト教概論を教えていた時期があります」
青学には運営全般をつかさどる理事長と、教育部門の最高責任者の院長がいる。その院長はクリスチャンであることが定められており、その適任者がいなかったことが長期不在の理由だという。
その山北氏と一緒にいた女性だが、夕刊フジの調べで女性は都内に住む30代の一級建築士を名乗っていたことが判明。山北氏らとは店内で“偶然”知り合い、山北氏が女性の仕事に興味を抱いたことや、女性の姉が青学大OGと明かされたことから意気投合したという。ちなみに、この夜、山北氏の妻は所用で自宅を空けていた。
ここまでの説明だけだと、聖職者のちょっとした火遊びというイメージだが、気になるのはこの動画が撮影された経緯。というのも、女性が最初の店に入店する場面から最後の別れまで、実にタイミングよく先回りして撮影されているのだ。撮影者はまるで、女性の行き先をあらかじめ知っていたかのような映像だ。
「青山学院と全国のプロテスタント教会のトップを兼ねる人物が、女性とラブホテルに入ったり神聖な教会の建物に深夜に招き入れるなど言語道断です。しかし、撮影の状況などを見ると、山北氏の学外での活動に反発する勢力が撮った可能性が高そうです」(前出の関係者)
山北氏は、夕刊フジの取材に対し「女性がもう一軒(飲みに行こう)というから教授たちと別れ、ラブホテルと分からず(飲食店だと思い)2人で入ってしまった。その後、自宅が同じ方面だった女性とタクシーに同乗し、女性が教会の内部を見たいというから建物に招いたが、自宅には入れていない」と説明している。
http://news.livedoor.com/article/detail/4972109/
青山学院といえば、数年前に瀬尾何とかというのが変な発言をして、そのとばっちりで拙blogが炎上したということもあったけど(汗&笑)*1。記事を読む限り、「日本基督教団」と「青山学院」(或いは青山学院が所属する教派であるメソディスト)との確執が背後にあるようだ。まだサザン・オールスターズが入学する以前に遡れば、「日本基督教団」の反対にも拘らず、青山学院大学が神学部を廃止してしまったということがあり、そのために「教団」との関係に緊張が走ったということがあったのだが*2、それ以降、関係がどのようになっていたのかというのは知らなかった。
ただ、この謀略映像によって山北先生の〈潔白〉が逆に証明されてしまったともいえる。「画面のタイムカウンターによると、山北氏と女性はわずか1分でラブホテルを退出」。「タイムカウンター」は消し忘れたのか、それともわざと残されたのかということもあるのだけれど、ラブホ滞在1分では服を脱がすこともできないよ。また、この記事の筆者は「女性が最初の店に入店する場面から最後の別れまで、実にタイミングよく先回りして撮影されている」として、「撮影者はまるで、女性の行き先をあらかじめ知っていたかのよう」だと推測している。つまり、撮影テクニックの工夫から、〈やらせ〉がばれているわけだ。謀略だとしたら、策というかテクニックに溺れてしまった?
ところで、2001年の911でWTCに飛行機が突入し・やがて建物が崩壊していく、あのニュース映像をハリウッド映画みたい! というクリシェは事件直後からかなり流通していたといえるだろう。このクリシェが911陰謀理論に或る種のもっともらしさ(plausibility)を(今でも)提供しているということは明らかだろう。金井美恵子『目白雑録2』から、片山恭一「世界の中心からイルカたちへ」(『文學界』2004年9月号)を孫引きしてみる;
これに対して、金井美恵子先生曰く、
あの出来事が当事国だけでなく、部外者である私たちの暮らしの、しかもかなり深いレベルまで影を投げかけているのは、われわれの生存の拠って立つ基盤が、すでに破綻しているか破綻しかけているという事実を突きつけられたからではないだろうか。ツインタワーに突っ込む飛行機の映像を見て、多くの人が「これと同じものをどこかで見たような気がする」という既視感を口にしていた。それはハリウッド映画の影響というだけではなく、私たちの無意識が、いつか起こりうることを予感していたからだと思う。(p.60に引用)
出典が記されていないので、これは本人から直接聞いたということなのか。
ところで、片山にしても島田*3にしても、ハリウッドの火薬多用CG多用映画の映像とテレビで無数に流されたWTCの崩壊映像の既視感的な類似性に着目したのだが、映画を具体的な映像として判断するという、文芸関係者には決定的に欠けている美習の持ち主である青山真治は、二つの映像を似ていない*4と断言する。映画だったら、どんな馬鹿な監督でも爆発・崩壊のシーンを幾つも別のアングルから撮影するけれど、あれは一つのアングルからしか撮影されていない、と言うのだ。物を作るとか、書くとか、読むとか見るというのは、そういうことが基本ね。消費するためにたれ流されるイメージをイメージとして無意識かつ無防備に消費しないということだ。(pp.60-61)
- 作者: 金井美恵子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/07/07
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*1:See http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080427/1209224631 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080502/1209661435 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080504/1209874076 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080506/1210009772
*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060728/1154095317
*3:島田雅彦。『朝日新聞』の「文芸時評」で片山恭一の文章を「あきれかえって見せた」(ibid.)。
*4:原文では傍点。