「現実は現実的ではない」(メモ)

山崎正和「この人・この3冊 ハロルド・ピンター」『毎日新聞』2010年5月16日


曰く、


ピンターの認識論は、「現実は現実的ではない」という一言に尽きる。常識人が現実と呼ぶものはじつは現実ではなく、彼が先入観の文脈に嵌めこんだ説明にすぎない。それを排除して見えるがままに見れば、すべての現実は多義的で不気味な存在に見えるというのが、彼の生涯を貫く主題だといえる。
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