何度目かになるが「世論調査」を擁護して

世論調査*1については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060403/1144083850 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060527/1148702469 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060529/1148869195 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060916/1158382824 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060929/1159499795 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061007/1160196728 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070918/1190138993 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070923/1190518210 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080116/1200502785 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090104/1231094646 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090213/1234496013とかで言及している。

http://ameblo.jp/aobadai0301/entry-10280227112.html


世論調査」に対する相変わらずの批判というか、寧ろ無知ないちゃもん。
この人の言いたいことというのは大きく分けて主に2点あるのだろうと思う。先ずは、


さらにもっというと、

この世論調査がまじめに行われているか、

ということを国民が検証する手段はない、

ここまで政治に大きな影響を与えるようになった世論調査だから、

偏向マスコミが数字調整をしていることは、

十二分に考えられるものである。



そして、そもそももっと単純なところで、

世論調査の電話をかけているアルバイトが、

まじめに電話かけているかもあやしい。



最近、なかなか固定電話をかけても、

セールス電話が多く、みんな回答してくれないから、

アルバイトがいいかげんに、

自分で適当に回答をつくっていることも、

十二分に予想できる。

こういう言説というのはそれ自体でメディアやリサーチャーに対する信頼性の低下の現れなのだろうけど、実際にここに想像の上で書かれているような不正を目撃した、或いは自分がやりましたという人はいるのだろうか。或いは、コール・センターにアルバイトとして潜り込んでみるとか。以前も書いたかも知れないが、このような不正をするのは困難である。何しろコール・センターのオペレーターの会話は基本的にスーパーヴァイザーによってモニタリング(悪い言葉を使えば、盗聴)されているわけだから。無根拠にこういうことをblogというオープンな場所で書くというのは、メディアや調査機関に対する名誉毀損を十分に構成しているんじゃないかとも思うが、如何?

たとえば、麻生首相鳩山代表のどちらが

首相にふさわしいか、というような質問があるが、

そのうち何パーセントの有権者がいったい

麻生首相や、鳩山代表の著書を読み、考え方を知って、

そして適切な判断をしているか、というとあやしい。

結局、国民は、そのときのなんとなくの気分で、

どちらかを判断しているのであって、

単に見た目がいいとか、

最近、ちょっといいなあと思ったとか、

スキャンダルが気になったとか、

要するに、いい加減な気持ちで、選んでいるのが

圧倒的である。



だから一人の政治家が短期間で、

支持率が70%あると思ったら、

その半年後には支持率が10%台にまで急落したりする。

こんないいかげんな世論調査をつかまえて、

「国民の声」というのは、あまりにバカげた話である。

以前書いたかも知れないが、政治或いは選挙というのは、この人のように自称〈意識の高い〉人の意見によってのみ動いているのではない。実際には「いい加減な気持ちで、選んでいる」「圧倒的」な人たちの気分が大きく影響している。「世論調査」はそれを明るみに出すともいえる。勿論、そのような数字をメディアが「国民の声」、「錦の御旗」として自己主張するというのは批判されなければならない。しかし、この人の発想は、それと同じくらい危険であるだろうし、また自らが批判するメディアと或る前提を共有している。この人は「いい加減な気持ちで、選んでいる」ような連中を「世論」から削除していけば、「国民の意思」を十全に体現する(代表する)「世論」(「国民の声」)が現れるかのように思われる。どちらにしても、「国民の声」による独裁を理念として肯定しているわけだ。そうした発想の帰結は想像するだに恐ろしいわけだが、一つ申し上げていくと、「国民の声」なるものは十全に代表させようとすればするほど、却ってそれから遠のいてしまうということがあるのだ。

これは(実は)http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090613/1244864780に関係する。

*1:正しくは輿論調査と書くべきなのだろうけど、私も俗流に迎合して世論調査と書くことが多い。