http://d.hatena.ne.jp/nessko/20070902/p1にて知る。
http://katoler.cocolog-nifty.com/marketing/2007/09/post_8aee.html
米国の「低所得者向け住宅ローン」、「サブプライムローン」の破綻を巡って。曰く、
さらに、
しかし、今回の住宅バブルの崩壊は、かなり様相が異なっている。バブル崩壊時に発生した不良債権を癌に例えれば、80年代後半の米国では、外科手術によって切除すればよかったものが、今回は、全身にガン細胞が転移している様にも例えられる。
原因のひとつは、金融機関のローン債権の処理方法が変わったことにある。破綻した米国のS&Lや日本の住専(住宅金融専門会社)は、住宅ローンの債権を自ら保有していたが、現在の住宅ローン債権は、証券化されて、さまざまな投資ファンドや金融商品に組み込まれ、「見えないリスク」が生まれてしまったことだ。この背景には米国の金融機関はBIS規制をクリアするために、債権の証券化・流動化を積極的に進めたことがある。金融テクノロジーの進化もあって、サブプライムローンの債権は、様々な金融商品、ファンドに組み込まれることとなり、金融システムを「体」に例えれば、全身にガン細胞が転移したようなもので、誰もその確かな所在を特定できなくなってしまった。その結果、リスクを特定できないことの不安感が、金融市場全体の信用収縮を招き、リスク資産のリプライシング、株価の下落、更なる信用収縮という連鎖状況を生み出している。アナウンス効果を懸念してか、大手マスコミは大きな活字にこそしないが、世界は金融恐慌の瀬戸際まできている。
因みに、タイトルはeconthoughtさんのMixi日記のぱくり。
一連の出来事の底流から発せられているのは「アメリカの限界」というメッセージである。本来は、リスク分散システムとして機能するはずの高度化した金融システムが、高度化ゆえにかえってシステム全体の機能不全リスクを高めてしまった現実に加え、米国の経済成長というものが、低所得層に対する住宅ローンとそれに付随した信用膨張という、極めて脆弱な基盤に依拠していたことに対する驚きと不安が、現在の市場全体のセンチメントとして広がっている。自由主義経済の覇者として世界の経済システム司っていたはずの米国にとって思わぬ落とし穴が潜んでいたといえるだろう。それは、ちょうど、イラク、アフガニスタン、中東でアルカイダ、ヒズボラといった国境を越えて活動する武装組織との戦いに呻吟しているアメリカの姿と重なる。地球上のどの建物であっても1mと違わぬ誤差で破壊してみせる圧倒的な軍事技術を持ち、イラクという「国」を易々と叩き潰すことができた帝国が、転移したガン細胞のように世界中に散らばった「見えない敵、リスク」に対しては為す術がない。