『読書』8月号

『読書』の8月号を買う。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070714/1184388053でも言及したが、『読書』は編輯陣の突然の更迭があった。しかし、8月号は旧編輯陣によるものであり、多分これが最後なのだろう。ただ、「編輯手記」を見ても編輯陣交替への言及はないし、また出版社側からの告知もない。
主な記事はというと、呂正恵「三十年後反思“郷土文学”運動」、鐘喬「冷戦封鎖下的民衆文化」、趙京華「殖民歴史的叙述輿文化政治」という台湾文学・文化を巡るテクスト。また、李旭淵「韓流、長今輿“超女”」。于丹『《論語》心得』*1についての貝淡寧「《論語》的去政治化」。小森陽一村上春樹論の訳本を上梓した泰剛氏による解題。また、薛憶〓*2「輿馬可・波羅同行」というイタロ・カルヴィーノ『見えない都市』論。

見えない都市 (河出文庫)

見えない都市 (河出文庫)

さらに、韓東育「也説“儒家社会主義共和国”」と王思叡「中国道路的連続輿断裂及其他」は『読書』6月号に載った甘陽「中国道路:三十年輿六十年」*3へのコメンタリー。特に前者は甘陽氏の中華人民共和国=「儒家社会主義共和国」というテーゼに直接関わっているようだ。
あと、呂新雨「国事 家事 天下事――《良友》画刊輿現代啓蒙主義」があるけれど、これは既に村井さんは御存知でしょう。