上海汚職――長寧区、嘉定区

承前*1

Shanghai Daily 6 November 2006のベタ記事;


District Governor subject of probe

CHANGNING District governor Chen Chaoxian is being investigated for an alleged serious principle breach, Shanghai Daily learned.
Changning District, with more than 700,000 people, is in the city’s west. The district attracts many overseas residents especially in the Gubei and Hongqiao areas. The multimedia industry, information technology and textiles are pillar industries for the district.

これだと、地域紹介の方が詳しく、具体的に何に関するinvestigationなのかはわからない。『朝日』の記事だと、もう少し詳しい;

市トップ側近の長寧区長を聴取 上海汚職

 上海市トップの陳良宇(チェン・リアンユイ)・市共産党委員会書記の解任に発展した汚職事件で、同市長寧区の陳超賢・区長が、「厳重な規律違反」の疑いで当局から取り調べを受けていることが分かった。国営新華社通信が4日伝えた。一連の汚職事件で区長の摘発が明らかになったのは、秦裕・同市宝山区長に続いて2人目。

 陳区長は同市黄浦区の副区長などを歴任後、03年から長寧区長を務めていた。香港紙などによると、陳区長は、解任された陳前書記の側近の一人とされ、事件の核心である市社会保障基金から不正融資を受けたとされる実業家と関係があった疑いももたれていた。

(11/04)
http://www.asahi.com/world/china/news/TKY200611040283.html

次いで、小籠包発祥の地嘉定区;

日本企業に立ち退き通告 上海工業区、ハウスなど10社

 【上海=前田徹】上海郊外の有利な立地を売り物に外資企業を中心に誘致した上海嘉定工業区で、入居したばかりの上海ハウス食品など日本企業10社が都市計画を理由に立ち退きを非公式に通告されていることがわかった。今回は第1期分で今後さらに多くの日本企業が立ち退かされる可能性があり、外務省は在上海日本総領事館を通じ同市嘉定区政府に説明を求めた。上海進出を考えている企業の間でチャイナ・リスク論議が再燃する恐れもある。

 立ち退き通告文書は「上海市嘉定新城(街)建設管理委員会弁公室」の第10号文書(10月17日付)で、「都市計画の実現のため第1期分の立ち退き企業は次の通り」として24社が記され、その中にハウス食品▽野尻光学▽神鋼圧縮機製造−など日本企業10社が含まれていた。

 この文書は全企業に突然配布されており、台湾系企業などが立ち退きに応じる動きを見せる中で日本企業側では「このままでは操業を停止せざるを得ない」と、総領事館や日本貿易振興会を交え説明を上海市側に求めるなど対応を急いでいる。

 上海市西北部にある嘉定工業区は1994年ごろから外資誘致を目的に造成が始まった大型プロジェクトだったが、インフラ整備が遅れたことなどもあり進出企業はなかなか見つからなかった。外資の進出が本格化したのは中国沿岸部の経済発展が広がりを見せた2002年になってからで、同工業区への日本企業の進出は04年末に集中している。

 ところが日本企業関係者らによると、この工業区を含めた上海市都市改造計画が02年ごろから立案段階に入り、04年にいまの都市部と9つの衛星都市(100万都市)群という大まかな計画(1966計画)が決まったという。嘉定工業区はその衛星都市構想の一つ「嘉定新城建設」に含まれ、日本企業が多く入居する南地区は商業区に指定されていたため今回立ち退きを要請されることになった。

 日本企業側は(1)企業誘致と都市計画作成が重なるのに説明がなかったのは不誠実(2)補償が行われても操業停止という非常事態に追い込まれる−などの点を追及して立ち退き撤回を求める。
産経新聞) - 11月2日8時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061102-00000003-san-int


上海工業区の日本企業立ち退き要求 F1会場赤字が背景か

 【上海=前田徹】上海ハウス食品など日本企業10社が都市計画を理由に突然、立ち退きを要求された問題で、立ち退き企業が入居する上海嘉定工業区の西側にあるF1世界選手権会場「上海国際サーキット」の建設開発疑惑が背景にあるとの指摘が関係者間でなされている。サーキット場経営の社長は、上海市トップの陳良宇前書記解任がらみの別の汚職疑惑で当局の事情聴取を受けている。

 関係者によると、疑惑は「上海国際サーキット場」が2004年秋に開業したときからくすぶっていた。事業費が30億元(約450億円)以上という巨大プロジェクトにもかかわらず、市当局が中央に相談せず独断で建設用地を取得した疑いが持たれている。もともと集客が難しく赤字経営が決定的だったからだ。実際、年に1回の行事であるF1レースでさえ切符のダンピングが行われていたといい、こうした赤字の帳尻合わせのために周辺用地の開発利益が見込まれたとの疑惑もある。

 また、サーキット場は嘉定区都市構想の重要な一部に組み込まれていた。計画ではサーキット場を中心に自動車産業工業区が作られることになっているが、その東隣の工業区が商業区域に指定替えされた結果、土地価格は3倍近く跳ね上がっている。この疑問の多い指定替えの結果、立ち退き騒ぎが起きている。工業区に入居した地元企業は、工場を建設せずに売り抜けている。
産経新聞) - 11月7日8時1分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061107-00000008-san-int