弓削さん、木村さん、日高さん

先ず弓削達さんの訃報をhttp://d.hatena.ne.jp/sava95/20061019/p2にて知る。
『朝日』と『読売』の記事;


フェリス女学院大学長の弓削達さん死去
2006年10月18日02時22分

 弓削 達さん(ゆげ・とおる=元フェリス女学院大学学長、東大名誉教授・古代ローマ史)14日、肺炎で死去、82歳。葬儀は近親者で済ませた。喪主は長男康史(やすし)さん。自宅は公表していない。12月初旬に「お別れの会」を開くが、日時・場所は未定で、問い合わせはフェリス女学院本部事務局(045・662・4511)。


 90年4月、他のキリスト教系3大学の学長と連名で、天皇の即位儀礼である大嘗祭(だいじょうさい)に反対する声明を出し、元右翼団体幹部に自宅を銃撃された。自由や平和をめぐりその後も毅然(きぜん)とした発言を続けた。

 02年7月には、住民基本台帳ネットワークをめぐり、本人の同意なしに個人情報が市区町村以外の行政機関に提供されるようになるのは「自己情報のコントロール権の侵害だ」などとして、東京地裁に提訴した。

 「ローマ帝国キリスト教」「歴史家と歴史学」などの著書がある。
http://www.asahi.com/obituaries/update/1017/002.html


弓削達氏=東大名誉教授

 古代ローマ史研究の第一人者で、東大名誉教授の弓削達(ゆげ・とおる)さんが14日、肺炎のため死去した。82歳だった。葬儀は17日に近親者で済ませた。後日、「お別れの会」を開く予定。喪主は長男、康史さん。

 東京都生まれ。東京商科大(現一橋大)卒。日本学術会議会員、かながわ人権フォーラム会長なども務め、住民基本台帳ネットワーク反対運動でも中心的な役割を果たした。主な著書に「ローマ帝国の国家と社会」「世界の都市の物語5 ローマ」など。

 フェリス女学院大学学長を務めていた1990年4月、他のキリスト教系大学の学長と連名で大嘗祭(だいじょうさい)に反対する共同声明を発表した直後、自宅に銃弾が撃ち込まれた。
(2006年10月17日22時33分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20061017zz21.htm

『読売』の記事を見ると、木村尚三郎氏や日高晋氏も亡くなっているではないか。

木村尚三郎氏=東大名誉教授

 西洋史研究の重鎮で、愛知万博の総合プロデューサーなども歴任した東大名誉教授の木村尚三郎(きむら・しょうさぶろう)さんが17日、肝細胞がんのため東京都内の病院で亡くなった。76歳だった。告別式の日取りは未定。自宅は横浜市磯子区森6の25の20。

 東京都生まれ。東大文学部西洋史学科卒。中世フランスの荘園史が専門で、都立大、東大などで助教授、教授を務めた。1990年に東大を定年退官後は、国民生活審議会会長、国土緑化推進機構理事長、トヨタ財団理事長など幅広い分野で活躍。2000年から静岡文化芸術大学長。2010年の平城遷都1300年記念事業の総合プロデューサーにも就任した。

 農村の文化の豊かさに触れたフランス留学の体験から、農業の大切さを訴え続け、食料・農業・農村基本問題調査会会長として新農業基本法の制定に尽力。また、高校社会科からの世界史の独立を主張、必修科目とすることにも貢献した。

 比較文明論や文明史にかかわる問題にも積極的に発言し、「歴史の発見」「西欧文明の原像」「文化の風景」「ご隠居のすすめ」など著作多数。75年には「ヨーロッパとの対話」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞したほか、90年に交通文化賞、96年に横浜文化賞、97年にはNHK放送文化賞。読売・吉野作造賞選考委員も務めていた。
(2006年10月18日8時40分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20061018zz01.htm


訃報:日高普さん 82歳 死去=法政大名誉教授、経済原論専攻

 日高普さん 82歳(ひだか・ひろし=法政大名誉教授、経済原論専攻)16日、肺炎のため死去。葬儀は20日午前10時、さいたま市浦和区仲町1の12の1のセレモニー浦和ホール。自宅は非公表。喪主は長男立(りゅう)さん。

 福岡県出身。東大哲学科卒。宇野弘蔵らの研究を受け継ぎ、日本のマルクス経済学を原理的に追求。著書に「経済原論」など。文化・思想など関心を持つ知識人として活躍し、文芸同人誌「世代」で評論活動などを展開。また、92〜03年、本紙書評執筆者を務めた。

毎日新聞 2006年10月18日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/fu/news/20061018ddm041060172000c.html

このお三方の中で、私がいちばん影響を受けたかも知れないのは日高氏かも知れない。日高氏の『社会科学入門』(有斐閣新書)
社会科学入門 (有斐閣新書 B 43)

社会科学入門 (有斐閣新書 B 43)

は大学2年のたしか4月に読んだと思う。レーニンに対して批判的になったのはそもそもこの本のおかげ。
ところで、弓削さんって、弓削道鏡の末裔?