100円

沖縄タイムス』7月10日夕刊の記事なり;


遅刻学生に罰金“100円”/琉大工学部教授
 琉球大学工学部機械システム工学科の教授が講義に遅刻した学生から罰金百円を徴収していることに学生が反発、大学側は教授の処分を検討する事態になっていることが十日までに分かった。工学部は教授に徴収をやめるよう勧告しているが、教授は応じない構えだ。同教授は沖縄タイムス社の取材に対し、「遅刻を減らすためで、学生とは合意している。強制ではなく、苦情も出ていない」と話している。

 講義は同学科の必修科目の一クラスで、主に二年生の半数の四十五人が登録。複数の学生の話によると、冒頭の出欠確認時に不在だった学生は、途中で自己申告をし、教授に罰金百円を払う。払わない場合は欠席扱いになる。毎回、五人前後の遅刻者がいるという。

 学生の一人は「(金銭徴収は)おかしいと思うが、成績評価に響くかもしれないので払わざるを得ない」と困惑した様子。別の学生は「遅刻したことの負い目もあるし、百円ならいいかなという感覚で、つい払ってしまう」という。「百円で出席が買えるなら安い」と話す学生もいる。

 教授によると、集めた金額は「数千円」で、一部を昨年度の四年生の印刷代などに使ったほかは、大半は研究室で保管しているという。

 教授は「毎週遅刻する学生がいる中、昨年秋から、指導の延長として学生と合意の上でやっている。講義の内容に大学が口出しするのは教育権の侵害だ。今後もやめる気はない」と主張している。

 工学部によると、昨年十一月、学生からの苦情で問題が発覚した。宮城隼夫工学部長は「いかなる理由があっても、教室で学生から金銭を取る行為は認められない」としている。野底武浩機械システム工学科長は「教授と学生の関係は対等ではない。教授から要求されると、学生は払わざるを得ない立場だ。教育の倫理上あってはならない」との見解だ。

 大学は近く各学部の評議員による調査委員会を発足させる。事実確認を経て、処分の有無などを決定する。

 沖縄人権協会事務局長・永吉盛元弁護士の話 大学は単なる知識や技術を教えるだけの場所ではない。百円という対価を求める教員も、それに応じる学生も学問に対する考え方が浅すぎる。人間としての成長に協力すべき教員が心の貧しさを率先して見せているようで悲しくなる話だ。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200607101700_02.html

罰ゲーム感覚で面白いと思ったのだけれど、教授を処分するしないという問題になっているようだ。記事を読んでみると、教授も学生もマジになっていることがわかる。もしかしたら、この先生はヤマト出身者で、〈シマ時間〉とか〈ウチナー・タイム〉なるものを撲滅せんという文化的使命を自ら背負っているのかも知れない。
私の学生時代には、専任の先生では出席を取る人というのはまずいなかった。これも学生の生徒化の一端なのであろう。私の話に戻ると、非常勤で犯罪心理学関係を講じていた(たしか)元警察官僚の方がいて、その先生の出席の取り方というのは、日付の入ったボール紙のやや大きなカードが最初に配られて、先生が毎回学生の席を廻って、印鑑を押していくというものだった。みんな、〈ラジオ体操〉!といっていたものだ。その先生の姓というのは、日本で3番目か4番目に多い姓だったが、シャチハタとかを買ってまで〈出席〉を偽造した奴がいたかどうかは定かではない。
また、昔、友人と読書会をやっていたとき、遅刻する者はお菓子とかビールとかを差し入れるのはわりかし当たり前だったような気がする。勿論、ケータイなんかない時代である。