王菲/『般若心経』

劉麗朶「心経」(『東方早報』2006年4月11日)という文章によれば、ネット上に王菲が広東語で歌う「般若心経」が流布しているという。劉さんの評は王菲の「対声音装飾過度」が「弱点」であると。『般若心経』を歌うのは台湾香港歌謡界にあっては「一個伝統」となっている。劉さんが挙げているのは、孟庭葦、〓*1美雲、葉倩文、白冰冰、陳奕迅、彭羚、謝霆鋒、それから梅艶芳である。
劉さんによると、王菲が佛教に帰依したのは、「因為厭俗超衆而走向寂滅之説」。王菲が信ずるのは佛教でも密宗だということを以前読んだことがあるが、中国でたんに密宗というと、所謂チベット系ではなく、所謂真言宗だろう。真言宗は永く中国ではその法統が絶えていたが、近代以来、日本に留学して真言宗を再興しようとする動きあり、現在まで続く。但し、王菲ゆかりの地である北京、香港にその法統があるかどうかは不明(上海にはある)。

*1:kuang4. 廣+おおざと。GB5887.