路の名前

中国では(というよりも日本以外の国では多くの国でそうかもしれないが)、住所は道路の名前+番地で表示する。タクシーで行き先を告げるときも目的地の道路名(+その近くの道路名)をいうし、郵便も道路名+番地を書けば着く*1。にもかかわらず、


 鐘暉「“坊間路名”梳理加快」『新聞晨報』2006年3月25日


によると、上海市には当局から未だ正式に認可されていない、つまり通称に留まっている道路名が約1000あるという*2。また、他と重複する道路名も多々あるという。例えば、徐家匯から静安寺方面に走る「華山路」。金山区にも通称「華山路」があるという。また、金山区と宝山区にそれぞれ「友誼路」があるという。上海市居民地名辧公室では、年内にこのような道路名について、他との重複がないかどうかを調べ、公式化(「転正」)するという。このような未公認の道路名は、記事で例として挙げられている徐匯区の「沙家浜路」のように、上海の中心部ではなく、そもそもは村落だったものが都市化とともに人が聚住するようになったところらしい。道路名の重複については、記事ではその原因を記していないが、金山にしても宝山にしても、数年前までは上海市内ではなかった。それぞれが県*3だった。それが上海市に組み込まれたために起こったと考えられる。

*1:これはどうしてなのかわからないけれど、香港では「道」といい、中国大陸や台湾では「路」といいますね。

*2:道路に対する中国語の量詞は「条」だが、日本語ではどうだろうか。一条とか五条というようにそもそもは「条」だったけれど、現代ではやはり「本」でしょうか。

*3:中国の県は英訳ではcountyであり、日本でいうところの郡に相当すると考えてよかろう。