「だせえ」

承前*1

前田将多「愚か者たちがサッカー日本代表に見る夢」https://www.huffingtonpost.jp/shota-maeda/japan-poland-opinion_a_23470932/


ワールドカップの日本VS.ポーランド戦を巡って。
たしかに「だせえ」*2。しかし、ここで引用されている


まー73年経って、日本人は名誉ある玉砕よりも、カッコ悪くても生き延びる道を選べるようになっただけでも進歩じゃね。


— 指南役 (@cynanyc) 2018年6月29日
https://twitter.com/cynanyc/status/1012518521413165056

という言葉も味わい深い。
この前田さんという人、「株式会社スナワチ代表」だそうだけど、「スナワチ」というのがどういう会社なのかは知らない。「はてな」に喧嘩を売っているわけではない?

「類似表現」と「おわび」

朝日新聞』の記事;


芥川賞候補作、参考文献示さず類似表現 掲載誌でおわび
2018年6月29日10時59分


 今年5月に群像新人文学賞を受け、7月に選考のある芥川賞の候補作にも選ばれている北条裕子さん(32)の「美しい顔」について、講談社は29日、作品を掲載した「群像」6月号で主要な参考文献を明記しなかったと、7月6日に発売する「群像」8月号でおわびを掲載することを明らかにした。

芥川賞直木賞の候補に松尾スズキさん、湊かなえさんら
 同作は、東日本大震災で被災した女子高校生の視点で描いた短編。同社によると、震災直後の遺体安置所などの被災地の様子を描く際、石井光太さんのルポルタージュ「遺体」(新潮社)に大きな示唆を受けていたが、「文献の扱いに配慮を欠き、類似した表現が生じてしまった」としている。ほかに「3・11 慟哭(どうこく)の記録」(金菱清編、新曜社)など計5作を参考にしていた。

 北条さんは5月の新人賞贈呈式で、「被災地に行ったことは一度もありません。遠い東京からただ見ているだけ、その私自身への憤りでした」と執筆の動機を話していた。

 参考文献は以下の通り。「3・11 慟哭(どうこく)の記録」(金菱清編/東北学院大学震災の記録プロジェクト、新曜社)▽「メディアが震えた テレビ・ラジオと東日本大震災」(丹羽美之、藤田真文編、東京大学出版会)▽「ふたたび、ここから 東日本大震災石巻の人たちの50日間」(池上正樹著、ポプラ社)▽文芸春秋 2011年8月臨時増刊号「つなみ 被災地のこども80人の作文集」(森健取材構成、文芸春秋
https://www.asahi.com/articles/ASL6Y3H7LL6YUCVL005.html


新潮社「修正を含め対応要望」 芥川賞候補作の類似表現
2018年6月29日15時14分


 5月に群像新人文学賞を受け、7月に選考会のある芥川賞の候補作にも選ばれている北条裕子さん(32)の「美しい顔」が参考文献を明記していなかった問題で、参考文献だったと発表された「遺体」を書いたノンフィクション作家の石井光太さんと出版元の新潮社が29日、コメントを発表した。

 石井さんは北条さんと講談社から謝罪文を受け取ったとし、「東日本大震災が起きた直後から現地に入り、遺体安置所を中心として多くの被災者の話を聞き、それぞれの方の許諾をいただいた上で、まとめたのが『遺体 震災、津波の果てに』(新潮社)です。北条裕子氏、講談社には、当時取材をさせていただいた被災者の方々も含め、誠意ある対応を望んでいます」とコメントした。

 新潮社ノンフィクション編集部は「複数の類似箇所が生じていることについては、単に参考文献として記載して解決する問題ではないと考えています。北条氏、講談社には、類似箇所の修正を含め、引き続き誠意ある対応を求めています」とコメントした。

 「美しい顔」は、東日本大震災で被災した女子高校生の視点で描いた短編。講談社によると、震災直後の遺体安置所などの被災地の様子を描く際、石井さんの「遺体」に大きな示唆を受けていたが、「文献の扱いに配慮を欠き、類似した表現が生じてしまった」としている。

「遺体」には「床に敷かれたブルーシートには、二十体以上の遺体が蓑虫(みのむし)のように毛布にくるまれ一列に並んでいた」との記述がある。一方で、「美しい人」には「すべてが大きなミノ虫みたいになってごろごろしているのだけれどすべてがピタっと静止して一列にきれいに並んでいる」との表現がある。

 半田正夫・青山学院大名誉教授(著作権法)は「事実関係や描写を取り込んではいるが、表現そのものを変えているため著作権の侵害とは言いにくい。ただ、参考文献は最初から明示すべきだった」と話す。
https://www.asahi.com/articles/ASL6Y4J9HL6YUCVL00K.html

剽窃した(とされる)側、剽窃された(とされる)側のどちらのソースも読んでいないので、何ともいえないな。一つ知りたいのは、「類似表現」が小説の核心的な部分なのか周辺的な部分なのかということ。新潮社側が要求するように「類似箇所の修正」をしたら、小説が小説として崩れて別のものに変ってしまうのか、それとも「修正」後も同じ小説でありつづけるのか。
さて、石井光太氏の作品は『物乞う仏陀*1しか読んでいないのだが、それはそれで凄い読書体験だった。
物乞う仏陀 (文春文庫)

物乞う仏陀 (文春文庫)

「ロスジェネ」の悲劇?

承前*1

山本一郎*2「追悼・Hagex 「来週飲みに行く約束はどうなったんだよ」 「40代だけ給与減」について書いていたら飛び込んできた41歳の訃報」http://blogos.com/article/307556/?p=1


Hagex殺しを山本氏は「ロスジェネ」問題*3に落とし込んでいる。


これから新しい仕事を始めるために世に出ようと活動を広げていたHagexさんが、頭脳も才能も恐らくあるけど世に受け入れられず自宅で悶々とはてな民を煽り続けてきた40代無職に殺されるとか、理不尽に社会の歪みを押し付けられたロスジェネ世代の40代が、ロスジェネ世代の40代を殺すとか、不幸すぎる。Hagexおい何で無断で死んでるねん。来週飲みに行く予定はどうなったんだよ。

 政府が悪いとか社会が悪いとか親世代が悪いとか能力がないのが悪いとか、誰かのせいにしてどうにかなる問題ではありません。私らの世代は、やはり人口の多かった団塊の世代による猛烈なベビーブームと、バブル景気が弾けて終わった夢のあとの反動による景気低迷という避けがたい日本社会の「裂け谷」で重い荷物を背負わされた、理不尽を受け入れて生きる世代なんですよ。

上には年老いた親があり、下には腹をすかせた育ち盛りの子供がいる。社会からは結婚しろ子供を産め育めと求められ、稼ぎが少ないと罵倒され、親の介護をして一人前と押し付けられ、独り身は孤独死に怯えながらその後の人生を歩んでいかなければならない。キャリアを積んで稼げる能力を身に着けられる時期は景気が悪くてフリーター当たり前の時代を生き抜いても、より深い谷に落ち込んでいくのが宿命づけられていたわけですよ。

ところで、「低能先生」が「九州大学中退後自宅警備員をされていた」ということなのだけど、実際のところ、「中退」ではなくちゃんと卒業していて、一旦はどっかの会社に就職していたのでは? と思ったのだけど、それはともかくとして、山本氏自身も属す「ロスジェネ」の自己認識は無視すべきではないだろう;

 私が卒業した96年は、ピカピカの奴らは都市銀行や製造業、広告代理店など当時の花形産業に就職していったのですが、これらの大企業は出世が大抵「年次で決まる」文化なので先の見える奴らほどさっさと銀行など大企業に見切りをつけ、ベンチャー企業を立ち上げたり留学してコンサルになったりと脱社畜になっていきました。

なんせ、会社は人員削減でスリムになる、しかししなければならない仕事の総量は変わらないというリストラの時期は人件費を浮かすために猛烈に働かせられ、30代後半になってみると給料が一番上がるはずの管理職は少なくなった人員のお陰で減る一方……。そりゃあ給料なんて上がりませんって。会社にしがみつこうとするほど、会社はブラックでもこいつら辞めないのだな、ならこき使ってやろう、ってなるのは世の摂理であり、当たり前の企業行動だってことでありましょう。

 世間では、私らの世代から2005年ごろまでの就職氷河期に社会に出た人間は「ロストジェネレーション世代」としばらくの間言われていましたが、いま2018年、ここらがガッツリ40代なわけです。あははははは、わたし45さーーーい。知能が低いので対抗できませーん。ここの人口ボリュームゾーンが給料低いクソ世代だ、お前らはニッポンのお荷物なんだぞバーカって内閣府に言われているのが現状です。辛い。

 何しろ給料が低いだけでなく将来に展望が見えないこともあり、結婚できない人の割合が増え始めたのもいまの40代、当然子供もできなくて日本の出生率減少の原因になってるのも40代、人ばっか多い年代のくせに本当に役に立たないな、お前らなんかにロスジェネとは呼ばせない、せいぜい「ホリエモン世代」ぐらいに自称しとけ馬鹿とレッテルはられ士気がダダ下がりなのです。

BBC on Teraha

Yvette Tan*1 “Terrace House: Japan's nice, calm Love Island antidote” https://www.bbc.com/news/world-asia-44544439


テラスハウス*2てまだやっていたのね。現在第4シーズンで、舞台も軽井沢のヴィラに移っている。上掲の記事では、英国のリアリティ・ショー、Love Island*3が対照されているのだけど、勿論こっちの方も全然知らない。


The format would be recognisable to anyone who has watched a reality TV show, yet there are significant differences.

For one, its contestants, aged from teens to 30s, are allowed to go about their daily lives as they please.

They are often seen leaving the house for work, heading off to university or just popping to the supermarket. They can also walk out of the house if they no longer want to be on the show.

A group of panellists provide real-time commentary - analysing conversations and deciphering their body language.


And although it is essentially meant to be a dating show, don't expect to see any major Love Island-style "grafting" in this show.

The contestants do ask each other out on dates, but their conversations revolve more around their personal ambitions and expectations than finding out each other's "type on paper".


The lack of drama also means the show is surprisingly relaxing to watch, almost like watching a friend go through their day-to-day life.

"I think one reason why the show might be so appealing is that we're able to relate more to the people in the show," said Dr Griseldis Kirsch, senior lecturer in contemporary Japanese culture at the School of Oriental and African Studios (SOAS)*4.

"You're able to imagine yourself in their shoes."

また、ミニマリズムなインテリア、地味なトーンの服;

The show's setup and layout is also pleasant to look at - complete with sleek minimalist furniture.

"It's quiet and calm on the eyes. It's got soothing colours, the people are nice and speak in more muted tones."

This contrasts with shows like Love Island, where splashes of neon pink, orange and shocking green shout out for your attention - even the contestants are usually dressed in bright colours. And often shouting.

"In television, you usually need to stand out to capture attention," says Dr Kirsch. "A show like Terrace House, it's not like that at all. The risk was that something like that might not have worked. But for this it has."

そのファンは日本を超えて拡がっている;

Despite the language barrier, Terrace House has also amassed a huge following internationally.

"The show is kind of like a window into Japan," says Dr Kirsch. "It's travelled well because of how different it is to other reality shows. Take Big Brother in the UK and in Germany, its a different language but the format is the same. This show is different.

"In the West, especially for reality TV shows we are used to very 'in your face' actions. But Japanese viewers pick up more on subtle actions."

And many fans say it is precisely the subtle nature of the show that keeps them tuning in.

"Everything is so free of loud drama [that] little moments, gestures, words take on a kind of extraordinary weight," Johnathan Newell, a Terrace House fan from Vancouver tells the BBC.

"The show becomes a game of figuring out motives and feelings rather than having them screamed at us."

And other social media users agree.

"It's the 'boring' aspect of everyday life spiced with moments of tension, romance and friendship that keeps the show relatable," a Reddit user from the US said, speaking to the BBC.

"[The show] just feels more realistic and I really liked the idea that they are still able to live their normal lives," added another Reddit user from Germany.

"In this [day and age] where we have hundreds of scripted reality shows, Terrace House feels like real life. You're able to get to know some of them and start to care for their life, like a friend."

”Arrested. Stay strong. Keep fighting”

ピーター・フォンダ*1の暴言と謝罪騒動を引き起こした、米トランプ政権の「不法移民」に対する「ゼロ・トレランス」政策*2。6月28日には、ワシントンの上院にて移民支援のための座り込み行動が行われ、女優のスーザン・サランドンを含む600人近くの女性が逮捕されている;


Actress Susan Sarandon says she was one of almost 600 women arrested at a sit-in in support of migrants at a US Senate building.

Police in Washington say 575 people were charged with unlawfully demonstrating on Thursday.

The women were protesting against the government's migration policy and cases of children being separated from their parents on the southern border.

Further protests are scheduled for Saturday.
(“Migrant separations: Susan Sarandon arrested at protest rally” https://www.bbc.com/news/world-us-canada-44657362)


Arrested. Stay strong. Keep fighting. #WomenDisobey


— Susan Sarandon (@SusanSarandon) June 28, 2018
https://twitter.com/SusanSarandon/status/1012413938070417408

See aslo


Sara M Moniuszko “Susan Sarandon among 575 people arrested at protest against Trump immigration policy” https://www.publicopiniononline.com/story/life/people/2018/06/29/susan-sarandon-among-575-arrested-trump-immigration-policy-protest/744943002/
Maria Pasquini “Susan Sarandon Arrested at Protest Against Trump’s Immigration Policy: 'Keep Fighting'” https://people.com/movies/susan-sarandon-arrested-protesting-trump-immigration-policy/

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170221/1487647100 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170427/1493308425

*2:See “Peter Fonda Says Separate Melania from Barron, Then Maybe Trump Will Get It” http://www.tmz.com/2018/06/20/peter-fonda-barron-trump-melania-president/ Christie D'Zurilla “Peter Fonda apologizes for tweet saying Trump's son should be taken from his mother” http://www.latimes.com/entertainment/la-et-entertainment-news-updates-2018-peter-fonda-apologizes-for-angry-tweet-1529527557-htmlstory.html 安藤健二「「バロン君を母親の腕から引き剥がして...」 ピーター・フォンダ、爆弾発言を謝罪」https://www.huffingtonpost.jp/2018/06/21/baron_a_23464363/