飯田耕太「クレヨンから消えた“肌色”」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180525/k10011452251000.html
クレヨンや色鉛筆でかつて「はだ色」と呼ばれた色はかなり前から「ペールオレンジ」とか「うすだいだい」と呼ばれるようになっている。メーカーでは1990年代の後半から「はだ色」という名称は使用していないという。私としては、若い人でも子どもの頃にそう教わったとか、「はだ色」に親しみを感じている人がいるのに軽く驚いた。もう30年以上前、1980年代には「はだ色」は問題含みの色というか、政治的に正しくはない色になっていたように思う。人間的自然において人間の皮膚の色は多様であり、そうであるにも拘らず皮膚の色の多様さによって社会的・文化的差別が惹起されているわけだから、それは当然だろう。まあその後「はだ色」がどのように言い換えられるようになったのかということは関心の外になっていたわけだが。
さて、
まあ英語でも、nude*1とかflesh-colouredという言い方はするけれど*2という言い方をするけれども。
そもそも、はだ色という名前の起源はなんなのか。色に関する研究を行っている「日本色彩研究所」(さいたま市)に話を聞きました。
「文献を読んでみると“8世紀ごろにあった人や獣の肉の色を表す『しし色』が『はだ色』の前身”と書かれています」
「明治時代に入り、異国の人たちとふれ合うことが多くなってきます。人々が肌の色の違いを意識するようになり、『はだ色』と呼ばれるようになったという説があります」
ところで、70代の女性曰く、「私もはだ色の下着を多く持っていますが、何て呼ぶのでしょうか?」これはふつうベージュと呼ぶのでは?
さて、中川李枝子『ももいろのきりん』だと、「クレヨン山」には「クレヨンの木」が生えていて、「バナナのようなかたちのクレヨンが、いっぱいなっていました」。「はだ色」というか「ペールオレンジ」のクレヨンもなっているけれど、言葉としては出てこない。
- 作者: 中川李枝子,中川宗弥
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1965/07/01
- メディア: 単行本
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*1:See Alison Caporimo “This Clothing Designer Makes Nude Dancewear For Dancers Of Color” https://www.buzzfeed.com/alisoncaporimo/nude-dance-apparel-ftw Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160523/1463979936
*2:See “Colombian women’s flesh-coloured cycling kit ‘unacceptable’, says UCI” http://www.theguardian.com/sport/2014/sep/15/colombian-women-cycling-flesh-coloured-kit-unacceptable-uci Mentioend in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140923/1411437447