「めがね先輩」になればいい - Living, Loving, Thinking, Again

承前*1

『ハフィントン・ポスト』（『朝日新聞』）の記事；

ドーピング陽性問題、「コンタクトレンズ保存液が体に入った可能性」スケート連盟が見解
平昌五輪の日本代表・斎藤慧選手がドーピング陽性反応を示した問題で…

　スピードスケート・ショートトラック男子の斎藤慧選手（神奈川大）が平昌（ピョンチャン）五輪のドーピング検査で陽性反応を示した問題で、日本スケート連盟の橋本聖子会長は１日、「コンタクトレンズの保存液が体内に入った可能性がある」との見解を示した。自民党のスポーツ立国調査会で報告した。
　橋本会長によると、国内の検査で陰性反応が出た１月２９日から、選手村で抜き打ち検査が行われた２月４日までの「すべての彼の行動を（連盟は）調査している」という。その中で、米国製の使い捨てタイプのコンタクトレンズの保存液が「鼻の中に入ったことによって（陽性反応が）出る可能性がある」と言及。ほかに、合宿施設や宿舎などの調理従事者に今回検出された禁止薬物のアセタゾラミドを服用した人がいないかも調べているという。
　斎藤選手は薬物使用を否定しているが、五輪中の他選手への影響などを考えて、暫定的に資格停止処分を受け入れた。五輪でドーピング認定の権限を持つスポーツ仲裁裁判所（ＣＡＳ）の最終的な裁定はまだ出ていない。橋本氏は「問題を検証しながら、選手をサポートする態勢を整えている」と話した。
　日本アンチ・ドーピング機構（ＪＡＤＡ）の浅川伸専務理事によると、コンタクトレンズの保存液が原因で、アセタゾラミドが検出され、ドーピング違反が問われたケースは聞いたことがないという。一方で、使っている点眼薬に禁止薬物が含まれ、ドーピング検査で陽性を示したケースは日本でもあった。浅川専務理事は「保存液に禁止薬物が入っていれば、それが原因で陽性になる可能性はある。まずは該当のコンタクトレンズの保存液を調べてみるべきだ」と話している。（野村周平、河野正樹）
（朝日新聞デジタル　2018年03月02日 07時58分）
http://www.huffingtonpost.jp/2018/03/01/doping-contactlends-solution_a_23374892/

橋本聖子とJADAで、見解が対立しているようだ。しかし、「コンタクトレンズの保存液」には成分表示がついているだろうし、成分分析もそんなに時間はかからないだろう。「米国製の使い捨てタイプ」に問題があるとしたら、さらに問題が出てくる。他のブランド（メーカー）の「保存液」は大丈夫なのかどうか。他のブランドも危ないということだったら、アスリートたちにコンタクトの使用を止めて眼鏡をかけるよう勧告するしかないのでは？
勿論、「ドーピング」についても再考が必要だろう。その際に、かつてピーター・シンガーが論じていたように、「パフォーマンス向上ドラッグ」の使用を自由化しアスリートの自己責任に委ねてしまうのも一つの回答ではあろう*2。そうすれば、少なくとも、ドーピング問題はどっかの国の陰謀だと息巻く露西亜のプーチンのみたいな政治家が出現する余地はなくなる*3。

*2:Peter Singer “Tour de France opens season on drugs, sport” Shanghai Daily 4 September 2007 Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070905/1188958789

*3:See eg. Sean Ingle “Vladimir Putin warns of Olympic ‘schism’ after Russian doping revealed” https://www.theguardian.com/sport/2016/jul/18/vladimir-putin-olympic-schism-russian-doping-revealed Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160719/1468932980