或る手紙

朝日新聞』の記事;


二葉亭四迷の死、漱石が夫人へ書いたお悔やみ状初公開へ

岡恵里

2017年9月23日09時08分

 小説家・二葉亭四迷(1864〜1909)の死を知った夏目漱石(1867〜1916)が、四迷の夫人に宛てたお悔やみ状が23日から、東京都目黒区の日本近代文学館で初公開される。現行「漱石全集」にも未収録で、同館が四迷の遺族から昨年6月寄贈を受けた。


 当時、四迷と漱石朝日新聞社員だった。特派員としてロシアに赴任していた四迷は病気で帰国する途上、客死した。漱石は09年5月15日付の朝日新聞で四迷の死を知る。夫人の長谷川柳子あての手紙には、「四迷君事……今日の朝日新聞にて承知、痛嘆(つうたん)の至(いたり)に不堪(たえず)」とある。

 漱石が同日、日記に「二葉亭印度洋上ニテ死去。気の毒なり。遺族はどうする事だろう」と書き、柳子宛てに手紙を出したことも記していたのは知られていたが、その手紙は不明だった。

 展覧会「漱石・芥川・太宰から現代作家まで」は11月25日まで。ほかに芥川龍之介が自殺した時に駆けつけた主治医の日記などが展示される。観覧料200円(略)。(岡恵里)
http://www.asahi.com/articles/ASK9Q5S02K9QUCLV00L.html

夏目漱石*1も・二葉亭四迷長谷川辰之助)も「朝日新聞社員」として小説を書いていたわけだ。これは、小森陽一氏も言うように、日露戦争が終わって各新聞は戦争という読者を引きつけるネタがなくなり、その代りに連載小説という新コンテンツが発見されたわけだ(『漱石を読みなおす』)。
漱石を読みなおす (ちくま新書)

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ところで、「四迷の遺族」? 「遺族」というと二葉亭四迷が亡くなったときに生きていた人。これは長谷川柳子夫人だろうか、それとも前妻との間にできた娘のことだろうか。だとしたら、どちらにしても100歳を超えている。そうでなければ、「遺族」ではなく子孫というべきだろう。今上天皇孔明孝明天皇の子孫ではあるが、「遺族」ではない。