弾かなかったジミー・ペイジ

『デイリースポーツ』の記事;


ジミー・ペイジが演奏せず不満噴出 演奏するような宣伝、チケット30万円

デイリースポーツ 11/13(日) 15:50配信



 11日に東京・両国国技館で行われた「クラシック・ロック・アワード」の入場客から「詐欺だ」「ひどすぎる」「チケット代を返してほしい」と不満が噴出している。

 原因は英ロック・ギタリスト、ジミー・ペイジが演奏を披露しなかったこと。事前の宣伝では、さも演奏するようになっていたが、本番では、プレゼンターとしてわずか2分あまりステージに上がっただけ。ギターに触れることすらなかった。

 「クラシック−」は、今年活躍した世界のロックアーティストを表彰し、受賞者がライブパフォーマンスを披露するイベントとして、2005年にスタート。これまでは英米で行われてきたが今回、初めて日本で開催された。米人気俳優のジョニー・デップがミュージシャンとして日本初ライブを行ったり、X JAPANのYOSHIKIがピアノ演奏を披露したりと、盛りだくさんの内容だった。

 しかし、会場に集まったロックファンの大半にとってお目当ては、ジミー・ペイジジェフ・ベックの共演だった。エリック・クラプトンを含めて「世界3大ギタリスト」に数えられるスーパーギタリストの2人。特に、ペイジの公でのギター演奏となると、07年にレッド・ツェッペリンが再結成ライブを行った時や、08年に北京五輪閉会式でレオナ・ルイスと共演した時など非常に珍しい。久々の生演奏に加えてベックとのセッションが見られるとあって、最も高いチケットは30万円、最低でも1万8000円と高額にもかかわらず、大勢のファンが集った。

 事前のPRでも、2人が共演することは疑いようのない内容だった。ポスターは、エレキギターを真ん中に左一番上にベックの名前、対する右上にペイジの名前があり、他のアーティストより格段に大きく載り目を引く構成になっている。

 さらに、主催のKLab株式会社は今年9月23日に、PRサイトでジミー・ペイジの出演が決定したことを発表し「ジミー・ペイジの来日公演は、1996年、東京・名古屋・福岡で行われた『ジミー・ペイジロバート・プラントワールドツアー』以来20年ぶりとなります。(中略)ロック・レジェンド達が一堂に会して、入れ替わり立ち替わり、一夜限りのジャムセッションを繰り広げます。中でも『世界3大ギタリスト』の2人、ジミー・ペイジジェフ・ベックは日本初共演を果たすことになり」と記載。また、同社の真田哲弥社長は、自身のフェイスブックで本番4日前の今月7日に「大御所ジミー・ペイジジェフ・ベックのセッションは多分これが見納め。」とつづっている。

 ところが、である。実際にペイジが登場したのは約4時間のショーの最終盤だった。「ジ・アイコン」という賞に選ばれたベックを短い言葉で紹介。登壇したベックにトロフィーを渡し、肩をポンとたたくと、ステージの袖に消えていった。ベックが感謝の言葉を述べたあと、数曲を演奏してもペイジがギターを抱えて戻ってくることはなかった。

 ベックの演奏が終わり、司会を務めた歌舞伎俳優・尾上松也による締めのあいさつで散会となっても、客席では「えっ?終わり?」「ジミー・ペイジは?」とぼう然とする姿が多数見受けられた。納得できない一部のファンは会場のスタッフに返金を詰め寄った。終演後、ツイッターでも、不満をぶつけるつぶやきが殺到した。

 デイリースポーツは終演後に来場客を取材。ある男性ファンは「ペイジが演奏すると思ってチケットを買った。信じられない。プレゼンターだけと分かっていたら、見に来なかった」と声を荒らげた。別の男性ファンは「ずっとギターを手にしていないペイジが演奏すると思っていなかったけど、もしかしたらという奇跡をちょっと信じた。宣伝の仕方が悪質」とあきらめの表情を見せた。

 主催の広報担当者は「当初はジミー・ペイジは演奏するという話で進めていた。しかし、本番が近づくと、演奏はしないことになった。それでも数日前に来日したときに、ペイジはギターを持参していたんですが」と答えた。

 今回のケースでは、契約段階で演奏するかしないかは、決まっているはず。なので、演奏しなかったからといって、ペイジに非がある話ではない。あたかもペイジが演奏するように、喧伝(けんでん)した主催者側に問題がある。ロックファンの期待をもてあそんだ罪は深い。

 (デイリースポーツ・杉村峰達)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161113-00000064-dal-ent

スポーツ新聞には珍しく署名入りの記事だ。
また、ゴダイゴのスティーヴ・フォックス;

ゴダイゴのスティーブ J・ペイジ演奏せず「最悪のこと」 30秒で帰った

デイリースポーツ 11/14(月) 18:13配信


 ロックバンド・ゴダイゴのベーシスト、スティーブ・フォックス(63)が11日に東京・両国国技館で行われた「クラシック・ロック・アワード」を見に行ったことが14日、分かった。英ロック・ギタリストのジミー・ペイジ目当てだったが演奏を披露しなかったため「最悪のことがあった」と訴えた。

 フォックスは12日に東京・中野サンプラザでデビュー40周年コンサートを行った。

 そのMCで「昨日、最悪のことがあった」と11日の「クラシック・ロック・アワード」を見に行ったことに触れ、「ジミー・ペイジの演奏を見に行ったのに、誰かを紹介しただけで30秒ぐらいで帰っちゃった」と観客に苦笑まじりに明かした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161114-00000081-dal-ent

See also


「出演が予告されていたジミー・ペイジ、本番では演奏せず……主催者謝罪も返金には応じない構え 「イベントは成立している」」http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1611/14/news106.html
「ロックイベントでジミー・ペイジ演奏せず 主催のKLabが謝罪 「返金はしない」」http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1611/14/news112.html


これらはKlabの言い分に沿った記事。何だか、ジミー・ペイジ*1が気紛れを起こしてドタキャンしたというふうに読めてしまう。問い合わせても梨の礫で、哀れなKlabはしくしく! ただ、ブクマのコメントを読んでいくと、Klabの評判はかなり黒いこともわかった。ジミー・ペイジ側ではないが、Classic Rock Awardの英国側の元締めに取材をした記事がある;


Keiko “Ginger” Suzuki「ジミー・ペイジ、クラシックロックアワードで最初から演奏する予定はなかった?イギリス側からのコメント届く」http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161114-00010005-etalent-musi&p=1


「イギリス側からのコメント」の部分は、


その晩、会場では納得のいかない観客から深夜まで主催者側へ抗議していたという報道も出て、一体何が起きているのか詳しく調べてみるとネットにはジミーが演奏しなかったことは「詐欺行為」「過大広告」だと不満の声が多く上がっていた。そこで筆者はこのアワードの共同企画を行っている、英国に本拠地を置くロック・メディア、チームロック社の最高経営者ビリー・アンダーソン氏と面識があった為、翌日に直接尋ねてみたところ「I hadn't heard about any complaints but Jimmy was always appearing never playing, I'm not sure where any mix up occurred. As for Joe, again, was never singing, just collecting the award which both scenarios are the norm in our awards over the last 12 years(苦情は何も聞いていませんが、ジミーはいつも参加してくれている際に演奏をしたことはありません。どうのようにそのような混乱が起きたのか定かではありません。またジョー(エリオット)も歌ったことはありません。賞を受けるだけというのも過去12年間、我々のアワードでは普通のシナリオです)」という回答が得られた。
ロッキング・オン』系の反応;


高見展「CLASSIC ROCK AWARDS 2016 @ 両国国技館http://ro69.jp/live/detail/151477
山崎洋一郎ジョニー・デップジミー・ペイジジェフ・ベック両国国技館でステージに立った! が!」http://ro69.jp/blog/yamazaki/151409


どちらも「期待」してたんだけど残念! というノリ。素人のファンならそれでも許されるのだろうけど、ro69.jpは、9月には、プレス・リリースをそのままなぞっただだろうという感じの記事を出しているのだった;


ジミー・ペイジ出演決定。「CLASSIC ROCK AWARDS」でジェフ・ベックとの日本初共演が実現」http://ro69.jp/news/detail/148895


このとき、ちゃんと裏を取るという記事の作り方をしていれば、11月の〈失望〉はなかった筈だ。