萌え化の果て、など

承前*1

共同通信欅坂46ナチス風衣装 歴史意識で欧米とギャップ」http://www.nikkansports.com/general/news/1732862.html


『日刊スポーツ』に掲載されたもの。
「アニメに代表されるサブカルチャーの世界で、現実から遊離した戦争や武器があふれる日本と、欧米の歴史意識とのギャップが浮き彫りになった」として、


欅坂46は昨年8月に結成、今年4月にCDデビューし、いま最も勢いのあるアイドルグループの1つとされる。デビュー時の緑系の衣装も軍服を強く想起させるものだったが、大きな問題になることはなかった。

 実は日本のアニメやゲームなどサブカルチャーの世界で、少女と「ミリタリー」(軍事)はよく見掛ける組み合わせだ。

 人気アニメ「ガールズ&パンツァー」は、女子高生が戦車に乗るという設定が受けた。ネットゲーム「艦隊これくしょん」も、旧日本軍の艦船を擬人化した美少女キャラが人気に。アニメなどの登場人物に扮(ふん)するコスプレでもミリタリーは定番の1つで抵抗感は薄い。

 「戦争や兵器の表現が現実の悲惨さではなく、『萌(も)え』と結びつく記号的な表現となってしまった」と問題視するのは文芸評論家の藤田直哉さん。今回の衣装も歴史を踏まえた形跡はない。

 日本のアニメやアイドルは海外で、もはや日本文化の象徴とみなされる。藤田さんは「オタクがメインカルチャーになった今、政治性や歴史と切り離し、ただ楽しめればいいという価値観では通用しない」と、国際感覚の必要性を指摘した。

また、

志葉玲ナチス酷似衣装が東京五輪にも飛び火―秋元康氏が五輪組織委の理事で大丈夫か?」http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20161102-00064010/


欅坂46」問題の拡大。


(前略)既に日本を観る海外の目は安倍政権の下で厳しくなっている。米国の『ニューヨーク・タイムズ』『ウォールストリート・ジャーナル』『BBC放送』など海外有力メディアは靖国神社参拝や、慰安婦問題についての歴史認識についてなどで安倍政権を繰り返し批判している。日本は過去の戦争で犯した戦争犯罪について、全く反省がないとみられているのだ。今回のナチス制服酷似の衣装の件も、そうした印象を多くの国々の人々に与えることになるだろう。日本では、とりわけネットユーザー達は海外からの批判に逆ギレする風潮もあるが、そうした感情的かつエセ愛国主義的な姿勢こそが、むしろ日本を貶めているということに気が付くべきなのである。問われているのは、欅坂46や秋元氏だけではない。彼女ら、彼らが、忌まわしき戦争犯罪を恐るべき規模で行った存在のコスプレをするという発想ができてしまう、日本社会全体としての歴史に対しての浅はかさなのだ。それは、この間、自民党政権石原都政の下で平和教育が弾圧されてきたこととも直結することなのだろう。今回の件を機に、多くの日本の人々が重い歴史を受け止め、それを教訓とするということを改めて考えたり、今の安倍政権下の日本がどのようなものであるか、客観視したりしてもらえたら、と願う。
熱湯浴やユダヤ陰謀大好きっ子たちがどういう反応をしているのか知らないけれど、今回は、ネットで騒ぎになる→海外のメディアが嗅ぎ付ける→日本のメディアが取り上げる→関係者の謝罪という流れになっているので、或る意味でネットを通した自浄可能性が認められたということではないか。志葉さんが紹介する『ガーディアン』の記事も日本のネティズンの発言を比較的詳しくフォローしている*2
さて、2011年の氣志團事件については、


Justin McCurry “Japanese pop group Kishidan's 'Nazi' outfits force Sony to apologise” https://www.theguardian.com/world/2011/mar/02/kishidan-nazi-uniforms-japan-aplogy