中西夏之

朝日新聞』の記事;


戦後の前衛美術を開拓、中西夏之さん死去

2016年10月24日00時26分

 戦後の前衛美術を切り開いた現代美術家の一人で東京芸術大学名誉教授の中西夏之(なかにし・なつゆき)さんが23日、脳梗塞(こうそく)で死去した。81歳だった。葬儀などの詳細は未定。

 1960年代前半に、故高松次郎氏、故赤瀬川原平氏らと結成した「ハイレッド・センター」として活動。名前は高松(ハイ)、赤瀬川(レッド)、中西(センター)の名字を組み合わせたもので、東京五輪のさなかに白衣姿で銀座の路上を清掃するなど「ハプニング」と呼ばれるパフォーマンスを披露し、前衛美術をひっぱった。

 また、個人として、金属製の洗濯ばさみをカンバスに取り付けたシリーズや、白、紫を基調にした抽象画などを描いた。2003年まで東京芸術大学教授を務めた。
http://www.asahi.com/articles/ASJBR73TTJBRUCLV00N.html

やはり中西夏之*1というと、「ハイレッド・センター」との連合によって記憶されることになるのだろうか。「ハイレッド・センター」については事後的な逸話としてしか知らない。知っているのは、年譜上は後期に属するだろう1980年代以降の流麗な抽象画。装飾への退行という批判もあったかと思うけど、それらは端的に美しい*2。〈現代の琳派〉といっても誤りではないだろう。そういえば、講談社現代新書で出ていた廣松渉『哲学入門一歩前』*3のカヴァーにはその(美しい)中西作品が使われていた。
哲学入門一歩前-モノからコトヘ (講談社現代新書)

哲学入門一歩前-モノからコトヘ (講談社現代新書)

*1:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%A5%BF%E5%A4%8F%E4%B9%8B Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20141027/1414376757

*2:勿論、それ以前の〈物質〉にフォーカスした作品たちも美しいが。See nappa-nappa「中西夏之 コンパクト・オブジェ 画像集」http://matome.naver.jp/odai/2140079136261695301

*3:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091204/1259903793