拾う紙あれば捨てる紙あり

山口県では「修士論文」を却下された市長がいる一方で*1、博士号の「返上を申し出」た大学教授がいる*2。それは昨年7月に、早稲田大学の調査委員会が小保方晴子の「博士論文」を「不正あったが学位取消に該当せず」とした結論を出した時のこと*3。しかし最近になって、話題になっている。下関効果なのかどうかはわからない。
J-CASTニュース』の記事;


山口大教授が母校早大に「博士」返上していた 小保方問題で「持っていることが恥ずかしい」「無価値」
2015/3/10 13:49


「持っていることが恥ずかしいと感じました」――。現在、山口大学の教授を務める男性が、母校・早稲田大学に対し、博士学位の返上願を申し出ていた。

返上願は2014年夏のことだが、思い切った行動がネットの注目を集め、賛辞が送られている。小保方晴子氏の博士論文に関する大学の対応に納得できず、「価値はないと判断」し、行動に出た。


返上を受理したのかについて、早大は「個人的な内容なので・・・」


学位を返上したのは山口大大学院理工学研究科の坂井伸之教授だ。「博士学位の返上願」は2014年7月27日付で、自身の研究室サイトにも掲載されている。

早大の鎌田薫総長に宛て、

「私は1995年に早稲田大学で学位(理学)を取得しましたが、7月17日に発表された調査委員会報告書及び総長の会見を拝見し、早稲田大学の学位は無価値であり、それどころか持っていることが恥ずかしいと感じました。よって、ここに博士学位の返上を申し出ます」

と簡潔な文章ながら、「無価値」「持っていることが恥ずかしい」と厳しい言葉が並ぶ。

報告書とは、小保方氏の博士論文が文章や画像を盗用していたとする、いわゆる「コピペ」疑惑について調査したものだ。調査委員会は「博士学位の取り消しの要件に該当しない」と結論付け、鎌田総長は発表会見で「信頼を回復するためにどうしていくかを最大の課題としてこれから早急に検討する」などとあいまいな受け答えに終始していた。

J-CASTニュースの取材に対し、坂井教授は「(一連の対応から)学位に価値はないと判断しました」と返上した理由を説明する。ただ、早大からは「そもそも規則がない」とメールが送られてきただけで、その後どういう処理をされたのか分からない。「おそらく受理はしてないでしょうね」と話した。

J-CASTニュース早大に受理したのか問い合わせたが、「個人的な内容なので説明は控えさせていただきます」と回答があった。

結局、7月の報告書は学内外から大きな批判を浴び、早大は10月7日に1年間の猶予期間を与えつつも小保方氏の学位取り消しを発表した。しかし、坂井教授は現在も学位返上の意志に変わりはないという。


「潔い決断だ」と称賛の声

学位返上は極めて異例だ。

過去には、1994年に日本体育大の元教授が筑波大に提出した博士論文がほかの論文を無断引用していたため、2010年に四国大の教授らが論文本文ではなく概要のみで審査を受けていたため、それぞれ学位を返上したことがあった。いずれも自ら責任を負う形で、今回のように大学を批判し、突き返すのとは性質が違う。

14年7月の返上願がいまさらネットで取りあげられた理由は分からないが、

「潔い決断だ」
「国際的に活躍されている物理学とかの方がこうやって学位返上されるのにビックリ」
「学位返上されるとはよっぽどの覚悟」

と話題を集めている。
http://www.j-cast.com/2015/03/10229943.html?p=all