機長とどっちが偉いか問題

『朝日』の記事;

大韓航空副社長が自社サービスに激怒、航空機遅らせる

ソウル=貝瀬秋彦

2014年12月9日23時19分


 大韓航空の趙顕娥(チョヒョンア)副社長(40)がニューヨークの空港で、搭乗していた自社の航空機の乗務員のサービスを問題視し、動き始めていた航空機を搭乗口に戻して乗務員を降ろしていたことが判明した。趙氏は大韓航空を傘下におく財閥・韓進グループの会長の長女で、韓国内では「財閥令嬢による行き過ぎた行為」と非難が殺到。趙氏は9日、担当業務から退いた。

 韓国メディアによると、趙氏は5日、仁川行きの大韓航空機のファーストクラスに搭乗。乗務員が客にナッツを配った際、袋のまま出されたことを「マニュアル通りになっていない」ととがめた。本来はナッツを袋から皿にあけて出すことになっているという。趙氏は機内サービス責任者を呼び、マニュアルの確認を求めたがすぐに対応できなかったことに激怒。すでに搭乗口を離れていた航空機を引き返させ、責任者を降ろした。乗客への説明はなく、同機の仁川到着が11分、遅れた。

 大韓航空側は「非常な状況でなかったにもかかわらず、航空機が引き返して乗務員を降ろしたことは行き過ぎた行動だった」とし、乗客に迷惑をかけたことをわびた。ただ一方で「安全に問題はなく、趙副社長は機内サービスと機内食の責任を担う役員として、指摘したのは当然のこと」と擁護した。
http://www.asahi.com/articles/ASGD956JSGD9UHBI00Z.html

See also
大韓航空副社長、CAからマカダミアナッツを勧められキレる 飛行機を引き返させ責任者を下ろす」http://www.huffingtonpost.jp/2014/12/08/korean-air_n_6291720.html


Justin McCurry “Korean Air executive could face legal action following nuts-rage incident”*1によると、韓国交通部は航空安全関係の法令違反容疑で大韓航空に対する捜査を開始したという。一旦動き出した飛行機を引き返させたり、(乗員であれ乗客であれ)誰かを飛行機から下ろす権限は機長にしかない。或いは「副社長」といえども「乗客のひとり」にすぎない;


On Monday, South Korea’s transport ministry said it was investigating the airline for possible breaches of aviation safety regulations. As a rule, members of a plane’s cabin crew take orders only from the captain during a flight.

“We will see if [the incident] was in violation of the law. We must review related laws as this incident is unprecedented,” a ministry official told reporters.

“Even if she is the vice-president of the airline, she was one of [many] passengers and should have been treated as such,” he said, adding that Cho should have waited for the plane to land before lecturing the flight attendant on in-flight service.

スタッフのプロフェッショナルな考慮に基づく判断よりも社内の身分関係の方が強いということが暴露されてしまったことの方が大韓航空にとっては痛手だったのでは?