未だ「再現」されず、など

承前*1

27日の午前中、古寺多見氏のblogでSTAP細胞検証実験の中間報告を理研がその日の午後に行うことを知る*2
さて、その日の4時前に配信された『毎日新聞』の記事;


<STAP細胞>検証実験 理研「現段階では再現に至らず」

毎日新聞 8月27日(水)15時55分配信


 ◇丹羽プロジェクトリーダーが会見で

 STAP細胞論文不正を受け、理化学研究所は27日午後、独自に進めている検証実験について東京都内で記者会見を開いた。総括責任者を務める理研発生・再生科学総合研究センターの相沢慎一特別顧問は冒頭、「最終判断を報告する段階には至っていないが、一定の判断をすべきだという結果について報告したい」と語った。


 検証実験はSTAP現象が存在するかどうかを確かめるため、今年4月にスタート。7月からは、論文の責任著者である小保方晴子・研究ユニットリーダーも参加し、11月までの期限で検証作業に協力している。検証実験そのものは丹羽仁史プロジェクトリーダーが主導して、来年3月までの期限で取り組んでいる。

 丹羽リーダーの説明によると、実験は、小保方氏らがネイチャー誌に投稿した論文(7月に撤回)に記述した方法で再現を試みた。マウスの脾臓(ひぞう)から取り出した細胞を、酸性の溶液に浸して7日間観察したところ、普段は見られない細胞の塊のようなものが現れた。

 これを詳しく解析して、万能性を示す特定の遺伝子が発現しているかどうかを調べた。小保方氏らが遺伝子発現の根拠とした「目印代わりの緑色蛍光たんぱく質が光った」という現象について詳細に検証したところ、緑色の発光は遺伝子由来のものとは言い切れず、細胞が死ぬ際に起きる「自家蛍光」の特徴を備えていたという。

 これについて丹羽リーダーは「ただ、現時点ではSTAP現象に特徴的な発光ではない、とも断言できない」と含みを残した。

 さらに別の手法を用いて、その遺伝子の発現量を測定する実験も試みたが、「目立った発現の上昇は現時点では見られていない」(丹羽リーダー)という。

 この実験は22回実施したが、いずれも細胞が初期化されて万能性を帯びる「STAP現象」の再現には至っていないという。【デジタル報道センター】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140827-00000051-mai-sctch

また、それと同時に発表された「アクションプラン」を巡って。
27日朝(発表以前)の『毎日』の記事;

理研>竹市センター長交代へ 再生研改革案

毎日新聞 8月27日(水)7時30分配信


 STAP細胞の論文不正問題を受け、理化学研究所は、筆頭著者の小保方晴子・研究ユニットリーダーらが所属する発生・再生科学総合研究センター(CDB・神戸市)を改組し、規模を大幅に縮小する改革案を固めた。竹市雅俊センター長は交代させ、後任は早ければ年内に決める。改組後の新組織の名称は「多細胞システム形成研究センター」とする方向で調整している。27日に研究不正防止の行動計画として発表する。

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床研究に取り組む高橋政代・プロジェクトリーダーは新組織に残る。一方、CDBが担ってきた基礎的な発生生物学や再生医療といった幅広い研究分野のうち、一部の機能や研究者を理研内の他のセンターに移すなどして、新組織に所属する研究者数を大幅に減らす。

 STAP問題発覚後に設置された外部識者による理研の改革委員会(委員長=岸輝雄・東京大名誉教授)は、6月に公表した提言で、研究不正を誘発したり抑止できなかったりしたことの背景に「CDBの構造的な欠陥があった」と指摘。理研に対し、CDB解体や人事の一新、理研全体のガバナンス(組織統治)体制の見直しなどを求めていた。

 理研は、さまざまな優遇策が認められる特定国立研究開発法人に指定される見通しだったが、STAP問題によって関連法案の国会審議が先送りされている。政府は今年度中の法案成立を目指してきたが、改革実施に伴い、来年度に持ち越しとなる見通し。

 CDBは、2000年4月に神戸・ポートアイランドに設立された。STAP論文の共著者で、今月5日に自殺した笹井芳樹氏は13年から副センター長を務めていた。13年12月現在のスタッフは研究者、技術者、事務など計541人。【大場あい、千葉紀和】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140827-00000009-mai-soci

発表後(27日夕方)に配信された『マイナビニュース』の記事;

理研、研究不正再発防止のためのアクションプランを公表 - CDBは規模半分に

マイナビニュース 8月27日(水)16時44分配信


理化学研究所(理研)は8月27日、発生・再生科学総合研究センター(CDB)の解体的出直しを含む、研究不正再発防止のためのアクションプランを発表した。

この中で理研リスク管理を踏まえたトップマネージメントの強化、CDBの運営体制の構造疲労、研究不正行為に対する組織としての予防装置の不足を課題として挙げ、これに対し、ガバナンスの強化、CDBの解体的な出直し、研究不正防止策の強化、アクションプラン実施のモニタリングを4つの柱として「社会のための理研改革」を推進していくとくいう。

なお、CDBについてはシニア研究者を中心とした「中核プログラム」とセンター長直轄の「センター長戦略プログラム」を廃止するなどし、規模を半減、「多細胞システム形成研究センター(仮称)」へと名称を変える。さらに、センター長を含む運営体制も一新されるとのこと。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140827-00000114-mycomj-sci