2冊の本の目次など

何れも20年近く前に読んだ本だが、目次だけでもメモしておけば、何かの機会に役に立つのかも知れない。

日本リベラリズムの稜線

日本リベラリズムの稜線

武田清子『日本リベラリズムの稜線』岩波書店、1987

序論 日本リベラリズムの課題
一 竹越与三郎の新日本史観――国民史のふところにある”世界史”――
二 末広鉄腸におけるアジアの解放――ホセ・リサールに触発されて――
三 浮田和民の”倫理的帝国主義”――比較文化史的アプローチ――
四 田沢義鋪における国民主義リベラリズム――青年団運動の形成をめぐって――
五 河合栄治郎自由主義論――マルクス主義ファシズムのはざまに――
六 清沢洌ファシズム批判――”戦争責任”の所在を問う――


あとがき

歴史の方法について (UP選書 (234))

歴史の方法について (UP選書 (234))

小谷汪之『歴史の方法について』東京大学出版会、1985

第一部 思想としての歴史学――人・歴史・歴史学――
はじめに
第一章 「自分史」としての歴史――人は歴史にどのようにかかわるのか――
第二章 「歴史のなかにあるもの」としての個――人は過去の人間にどのような関心をもつのか――
第三章 歴史発展の法則性――歴史において蓄積されるものと破壊されるもの――
第四章 現代文明批判としての歴史学――今、歴史学はどのような意味をもちうるのか――


第二部 日本人にとってのアジア――自己認識への回路
はじめに
第一章 「ヨーロッパとアジア」――ねじれた二分法――
第二章 日本人にとってのアジア


あとがき
参考文献案内
文献索引

野本寿美子『あたたかいお産 助産婦一代記』(晶文社、1998)を読んでしまう。1919年生まれの助産婦の、落合千恵子による聞き書きによる自伝。読んでいて、はっと思ったのだが、「ラマーズ法」の起源というのは蘇聯、パブロフの条件反射理論にあるんだね。1951年に仏蘭西の産科医ラマーズ博士が蘇聯に渡って、条件反射理論を応用した「精神予防性無痛分娩」を学び、後に改良を加えた(p.156)。野本さんは敗戦後、まだ「無医村」だった(p.111)「北多摩郡神代村深大寺」(現在の調布市深大寺)で開業したが、「東京から来た産婆」と呼ばれていた(p.113)。戦後すぐの段階では、調布辺りの人たちは(東京都下にありながら)自らの地元を東京だとは見做してはいなかったことになる。なお、現代日本の「助産婦」(「産婆」)制度の歴史については、きくちさかえ『イブの出産、アダムの誕生』*1第3章、p.123ffも参照のこと。

あたたかいお産―助産婦一代記

あたたかいお産―助産婦一代記

イブの出産、アダムの誕生―お産を愛する人たちが語るもうひとつの出産 (人間選書)

イブの出産、アダムの誕生―お産を愛する人たちが語るもうひとつの出産 (人間選書)