ナントの狼藉、そして

Via https://twitter.com/MariFutaki

“La cathédrale Saint-Pierre de Nantes vandalisée” http://www.lemonde.fr/societe/article/2013/06/08/la-cathedrale-saint-pierre-de-nantes-vandalisee_3426724_3224.html


現地時間6月7日から8日にかけて、すなわち深夜、仏蘭西ナントの大聖堂*1が何者かによって狼藉を受けた。狼藉者が残した落書きには「666」という数字、ヒトラーのちょび髭、男性性器、「FEMENの胸」*2などがあった。悪魔崇拝、ナチズム(或いはナチズムへのおちょくり)、フェミニズム(或いは反フェミニズム)等々と、落書きからは狼藉の宗教的・イデオロギー的背景は特定できず、文化財に対する悪質な悪戯としかいえない。しかし、イランのニュース・サイトにあった”Extremists vandalize Nantes Cathedral in western France”という記事*3によると、極右が大聖堂に狼藉を働いたかのように一瞬思ってしまう。日本的なるものに翻案すると、在特会が暴走して出雲大社を荒らしたという感じだろうか。しかし記事本文を読むと、極右がやったということは全然言及されておらず、扇情的なタイトルでよくも釣りやがったな! という誤誘導的な記事ではあった。最近仏蘭西で極右が荒れまくっているということはわかる。ナント狼藉の数日前には巴里でClement Mericという18歳の左翼活動家が極右(スキンヘッド)に嬲り殺しされており、仏蘭西内務省はこれに関与したといわれる極右組織Jeunesses nationalistes révolutionnaires=JNR(革命的青年民族主義者)*4の活動を禁止している(JNRは関与を否定)*5。巴里のノートル・ダム大聖堂にて、大勢の信者や観光客の目の前で、老極右が自殺するという事件が起きたばかりだった*6