宍戸護「鳥取・岡山県境のウラン鉱床跡 人形峠から福島見れば」http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110707ddm013040018000c.html
日本唯一のウラン鉱山だった岡山・鳥取県境の人形峠について。
閉山後の「残土」撤去を求める地元住民の闘争が語られているのだが、採掘中のエピソードとしては「マスク」の有無が重要だろう。権力の差異に基づいた、強制された無知。
ところで、撤去された「残土」のうち、「特に放射線量が高い」ものは「米国ユタ州の先住民居留地」に運ばれたという。核廃棄物をどこに運ぶのかというのはババ抜きのようなところがあるけど、トランプと違うのはそれが偶然に委ねられてはいないということか。誰がババを引くのか。それは例えば中心/周縁といったことと大いに関係しているわけだ。ユタ州は(広瀬隆によれば)ジョン・ウェインも被曝した核実験の名所でもあったわけだが、人形峠の「残土」が運ばれた「先住民居留地」ってナバホのテリトリーか。ナバホのテリトリーのうち、ユタ、コロラド、ニュー・メクシコ、アリゾナの4州の境界に当たる場所にはウラン鉱山があり、広島・長崎の原爆で使われたウランもここで採れたものなのだが、やはり採掘と「残土」によって今でも深刻な汚染を蒙っている。
ところで、カナダ北西部に住むヘアー・インディアンとナバホは、居住地域も遠く離れており、文化や環境も全く違うにも拘わらず、言語学的には同じ語族に属するということに改めて気づく。ヘアー・インディアンについては、原ひろ子先生の『極北のインディアン』と『子どもの文化人類学』を取り敢えずマークしておく。
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