人形の移民

MICHAEL WINES “Puppet Masters Try to Bring Art Out of the Shadows” http://www.nytimes.com/2010/12/11/world/asia/11puppets.html


北京の「崔永平皮影藝術博物館(Cui Yongping Shadow Play Art Museum )」*1が紐育に移転するという話。2004年にオープンしたこの博物館は崔永平氏が個人的に運営しているもので、明代以降の「皮影」(影絵芝居)用の人形を10万点以上所蔵し、実演も行っている。しかし、伝統文化に関心を持つ中国人も少ないので(参観者の8割は外国人)、紐育のマンハッタンでレストランを経営している息子を頼って、博物館ごと米国に移住する決心をし、このほどようやく米国への移民ヴィザの取得に成功したという。
崔永平氏は1961年に「皮影」劇団に入り、そこで妻と知り合い、結婚した。文化大革命中は鉄工所に送られ、人形を家の地下に隠し通した。文革終了後に「皮影」を再開し、1983年にはヨーロッパ・ツアーを成功させる。その後、博物館開設を思い立ち、15年かけて、病気を乗り越えながら*2中国全土から人形を収集した。


これも、米国こそが〈現代の中国(唐朝)〉であるという話の一例か*3
それから、「皮影」といえば、張藝謀の『活着』。

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