くまったもの

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20101101/1288613176に対して、「初めて熊肉を食したのは会津だった」というコメントあり*1。昔吉村昭*2の『羆嵐*3で、仕留めた羆を鍋にする場面があり、登場人物たちが不味いといっていたので、それ以来「熊肉」=不味いという偏見を持ち続けているのだが、実際はどうなんでしょうか。

羆嵐 (新潮文庫)

羆嵐 (新潮文庫)

ところで、熊を巡って、池田理代子じゃなくて池田香代子が話題になっている;


http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51494187.html


曰く、


大新聞には、熊が異常に増えていること、狩猟人口が減っていることが、熊の異常な出没の原因だ、と書かれているそうです。でもこれはとんでもない誤報だと、「日本熊森協会」さんに教えていただきました。こちらの団体は、数年前にも、熊にドングリを、と全国に呼びかけ、大量のエサを山に運びました。もちろん今年もです。お宅の柿の木は、実をつけていませんか? お庭にドングリの実は落ちていませんか? ぜひ、山の熊たちにプレゼントしてあげてください。私は、なにしろ庭の柿もどんぐりも実が成らなかったので、したくてもできないのです。
熊さんに「どんぐり」を送ろうと呼びかけている「日本熊森協会」はhttp://kumamori.org/
このエントリーはhttp://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20101102/1288656037http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20101101でも採り上げられており、後者には野生動物へ餌をやることに対する批判として、


http://ikimonotuusin.com/doc/101.htm
http://blogs.yahoo.co.jp/mt_izumi_1172/52831241.html


が引用されている。野生動物に安易に餌をやることが乱開発と同様にエコロジカルな秩序を乱すということはよく知られていること。但し、この件と彼女の小沢一郎支持の件とは一応切り離しておくべきではあろう。それから、濫りに野生動物に餌をやるとエライ目に遭うということをいちばんご存知なのは城内実ちぇんちぇーだったりして。
池田エントリーに戻ると、


また「クマ」という古語は奥まった隠れたところを意味し、それはすなわち神威、聖なるものを意味します。熊野、熊本、阿武隈などの地名も、そうした古代信仰に関係しています。クマは、この列島にいにしえから暮らしてきた人びとにとって、カミそのものなのです。環境省は、この列島の自然のカミをなんと心得る。
(電子辞書の)『広辞苑』を見たのだが、クマ(隈、曲・阿)と熊との関係には言及されていなかった。というか、熊の語源については何も言っていない。クマであるが、『広辞苑』の挙げる用例によれば、「奥まった隠れたところ」という意味よりも、「道や川などの湾曲して入り込んだ所」という意味の方が古いようだ。前者の用例が『源氏物語』であるのに対して、後者の場合は『万葉集』。まあ一般的に言って、クマは英語のfringeに対応すると言っていいだろう。また、アイヌイオマンテはともかくとして、和人の神道における熊を巡る祭祀や儀礼についてはよくわからない。