他山の石

加藤祐子アメリカ人は単細胞だしイギリス人は紳士面…そんな小沢氏の「逆襲」に」http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/politics/newsengw-20100831-01.html(Via http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100912/1284275386


小沢一郎が米国人を「単細胞」、英国人を「紳士面」と言い放った事件の英語圏メディアの反応について。曰く、


そこからにじみ出るのは、「小沢一郎とはこういう言葉遣いをする人なのだ」という評価です。確かに、日本の総理大臣になろうという人ならば、自分の発言が翻訳されて世界中に伝えられることくらい承知していて然るべきなのですから。「アメリカ人は単細胞生物だ」と言ったかのように訳されてしまう表現を使う方が悪いです。それ以前に、「アメリカ人は単純だ」と公の場で十把一絡げに切って捨てるのだってどうかと思いますが。

そして、こちらも十把一絡げに断定しますが、そもそも「○○人は▽▽だ」などと単細胞に断定するのは得てして、その相手の国や人々をよく知らない人がやることだと思います。相手を人間として理解し、一つの国の中に当然ある多様性を経験すればするほど、そんな乱暴で単純な十把一絡げはできなくなるものです。

日本はアメリカの言いなりにならない、対等な関係を築くのだと頑張るのと、そんなくだらない言葉遣いで相手を不快にしてどうするかというのは、次元の違う話だと思います。

まあ主旨は言葉遣いには気をつけようねという小沢一郎への忠告。小沢一郎の場合、「十把一絡げ」的な「断定」に関しては前科がある*1。ただ、「十把一絡げ」とは決して小沢だけの罪ではない。これは私たちの知覚のメカニズム、そして言語使用それ自体に関わっているので、そこから免れる人はいないといえよう*2。私たちに可能なのはせいぜい他者を考慮しつつ、何時でも自らの「十把一絡げ」を柔軟に修正することを受け入れることくらいである。その意味でも、小沢一郎を他山の石としなければならない。
それにしても、この文章から「本気で小沢を回避したい米英、もしも万が一小沢総理が実現したらどんな情報テロを仕掛けてくるかも知れない米英の姿勢」を読み取ってしまう池田香代子の想像力は凄い!*3
さて、吉川幸次郎先生のエッセイ集に『他山石語』というのがあり。