反右派闘争(メモ)

上海にて (集英社文庫)

上海にて (集英社文庫)

堀田善衛『上海にて』*1からメモ。
反右派闘争を巡って;

(前略)反右派闘争に少しふれておけば、前記阿部正捷君と、もうひとり中野重治氏の知り合いであった台湾生まれの人との、この二人との個人的な話し合いの結果、私は、反右派闘争というものが、三反五反などの思想的整風運動の一つ、あるいは一応の終結段階のものであって、これは下部からの、局長、部長などの上層幹部対する批判の運動であるらしい、とうけとった。社会各分野の幹部階級にある一つの気分、革命の成果も大分あがって来た、ここらでひと休み、もうそろそろいいじゃないか、という気分に対する下部からの痛烈な批判、そういうものとして私は理解した。)(pp.100-101)
21世紀という特権的な地点から物言えば、この感想と数年後に文化大革命マンセーする心性との距離はかなり短いといえる。
See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100211/1265855699