琵琶(メモ)

劉索拉「従遠古伝来的愛情信息」(in『口紅集』*1、pp.26-31)


日本で琵琶というと、琵琶法師にしても薩摩琵琶にしても、男性的なイメージがあるといえるだろう。しかし、劉索拉によると、紀元前500年頃に西域より伝来したこの楽器は、中国において女性的なもの、女性が演奏するものとされ、後には遊郭で遊女が演奏する楽器とされた*2。その点で、男(文人)の嗜みとされた「古琴」と対照をなす(pp.27-28)。勿論、名曲「十面埋伏」は「武曲」とされるが(p.26)。少し抜書き;


琵琶的私語音色、和古琴不同、古琴的弱音出来的時候給人哲理感、猶如一股冷気灌下、譲人清心寡欲。而琵琶在演奏這種音色的時候就使人更加在惺惺懜懂*3中纏繞。一種非常陰性和柔弱的調子。
在我的耳朵裏、琵琶真是陰性的楽器。不管它這一千多年来是怎麽演変的、它的音色体現了陰性的最大張力。暴力、神性、人性、愛情、欲望、自然界的動物活力、都在其中、無任何東方的楽器可以戦勝的表現力。(p.30)
たしかに、呉蛮*4にしても林笛*5にしても、琵琶奏者には女性が多い。それから、兵藤裕己『琵琶法師』*6、まだ読んでいないのであった。
琵琶法師―“異界”を語る人びと (岩波新書)

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