「熊掌」・「穿山甲」

 孫翔「主厨挙報餐庁出售熊掌穿山甲」『東方早報』2007年3月14日

 
上海市宝山区にあるホテル「旺武賓館」の「行政主厨」つまり料理長を務めていた呉継偉氏(33歳)は、『東方早報』に対して、同ホテルのレストランで非合法の「熊掌」と「穿山甲」を仕入れ、調理していたと、携帯電話のカメラで撮影した「熊掌」の写真を添えて、告発した。同氏は経営者の「圧力」によって仕方なく、「熊掌」や「穿山甲」を調理していたが、調理の継続を拒否したところ、3月4日に同ホテルを「解雇」されたという。『東方早報』の取材に対して、「旺武賓館」側は全面的に否認。また、「宝山野生動物保護站」では3月13日に「旺武賓館」に対して「検査」を行ったが、その証拠を見つけることはできなかった。「上海野生動物保護站」の裴恩楽站長は、「証拠」が見つからない以上、「没辧法処理」だとしている。
中国では「狗熊」*1は「国家一級保護動物」に、穿山甲は「国家二級保護動物」に指定されている。満漢全席のうち、熊掌つまり熊の手は日本では(熊牧場で取れたものを)食べられるが、中国では食べられないものだったのだ。南條竹則さんが「満漢全席」を食べたとき、「熊掌」はどうしたのだっけ?

満漢全席 中華料理小説 (集英社文庫)

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*1:これは普通の熊、月の輪熊を意味する。