ヘルメット

承前*1

2月5日の「大阪市による野宿者テント村強制撤去」については、「うに」さんのblogに時々刻々の写真ドキュメントあり;


http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_35bf.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_adf2.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_701e.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_de60.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_9bfc.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_8fbd.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_b32c.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_aa85.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_6fde.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_07bc.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_f1f9.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_40b8.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_36e1.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_d197.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_7ac1.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_3609.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_4302.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_9827.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_a3fd.html
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/200725_b8ad.html


詳しくは書かない。それは例えばhttp://d.hatena.ne.jp/Arisan/20070205/p1http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20070205/p1http://bund.jp/modules/wordpress/index.php?p=333を参照されたい。
幾つかメモしておくと、「排除」の前提が先ず問題であろう。例えば、「排除」の前提として民意があったとされる。しかし、


一方で市に届けられた長居公園の野宿者に関する苦情・要望の類を情報公開請求により公開を求めたところ、5年間で30件(一人の人が複数回要望したものや、長居プールの所長や長居植物園の所長など市の「身内」のものも含んでいます)の「苦情・要望」があったことがわかりました。大阪市が「地域からの苦情・要望」を排除のひとつの理由とする根拠は、これ「だけ」です。
5年で30件?「長居プールの所長や長居植物園の所長」も入れて?
大阪市には5年で30件の苦情もちこんだら、機動隊つかってそれを実現してくれるのか?
http://black.ap.teacup.com/despera/258.html
ということらしい。さらに、これを引用しつつ、草加耕助氏は「大阪市南部公園事務所の石橋係長が、「近所回り」をして「苦情」を出すように説得していたことが明らかになったというのです」と述べている*2草加氏はまた、この1年間大阪市は「一人一人の野宿労働者を個別に襲撃して排除していくこと」*3をしてきたという;

彼らの手口は、野宿労働者が仕事に出かけて留守の間にやってきて、公園にあるテントから家財道具まで、その一式を窃盗していくというものです。そしてその場で焼却してしまうのです。盗まれたものの中には、労働者が生活や自立のために、こつこつと貯めていた現金から、遺骨までが含まれています。そんなの見ればわかるはずです。わかっていて燃やしてしまったのです。
http://bund.jp/modules/wordpress/index.php?p=329
また、mojimojiさん*4

大阪市は、15億円の金を使って、「野宿者対策」をやったという。しかしその実態はなにか?
例えば、シェルターをつくった。このシェルターに入るには、公園のテントを放棄する事、荷物を放棄する事が義務づけられ、数ヶ月後には出て行くことが要求されるというものだ。
また、「就労支援」を大阪市の職員がやったという。これは新聞の求人欄を切り抜いて、野宿者に渡す、というだけのものだ。
つまりは、これらの金は、シェルターを建設した土建屋や、新聞切り抜き係りの市職員の懐に消えたのであって、野宿者の懐に消えたのではない。
http://black.ap.teacup.com/despera/259.html
というのを引用している。「新聞の求人欄を切り抜いて、野宿者に渡す」というのを読んで、怒る人よりも嗤ってしまう人の方が多いと思うが*5、mojimojiさんは「テントを捨て、その他持ち物を捨て、それまで築き上げてきた人間関係を捨て」ということに注目している。近代社会というのは私有財産の保護を基礎づけれられている筈なのだが、どうもそこで尊重されているのは(アレントの区別で言えば)propertyではなくwealthでしかないということを、このことは如実に表している。
真面目に怒るという藝風はないので、話をずらすが、冒頭にマークした「うに」さんのblogにはヘルメットを被った人が沢山写っている。とはいっても、「排除」に反対する「虫革派」をはじめとする「カゲキハ」*6ではない。「排除」する側の人たちだ。但し、やり方が「カゲキ」なので、「カゲキハ」と呼んでも大過ないように思える。オペラは好きですか。或いは、私が窃かに思っていたことが社会の主流でも実は共有され始めているという症候なのかも知れない。私はヘルメットにマスクという「カゲキハ」ファッションは、今や世界のトップ・デザイナーも注目しているニッカー・ズボン&地下足袋とともに、「美しい国」「日本の真髄100選」*7の1つとして選定し、世界遺産登録を目指すべきだと思っていたのだ。これが日本文化の「真髄」に属することを見抜いたのは故ジョン・レノンである。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070127/1169868085

*2:http://bund.jp/modules/wordpress/index.php?p=330

*3:因みに、「野宿労働者」という言葉はどうだろうか。何でも「労働者」をくっつけなければその存在を肯定できないというのはマルクス主義的親不知だろう。歯科医なら即刻抜歯を提案するだろう。

*4:http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20070205/p1

*5:「就労支援」として、タウン・ミーティングとかのサクラとして動員というのはどうよと提案してみる。

*6:Cf. http://d.hatena.ne.jp/zarudora/20061217/1166369648

*7:Cf. http://www.h-yamaguchi.net/2007/01/post_1691.html http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20070103 http://bewaad.com/20070102.html#p02