大竹伸朗その他

12月8日、午前中、私たち夫婦とChさんとで「東京都現代美術館」へ行く。『大竹伸朗全景』を観るため。この展覧会、小学校時代のお絵描きの作品や作文から始まって、大竹伸朗というアーティストを形成している、彼を通過した様々な美術の様式、ロックや漫画といったサブカルチャー、香港、倫敦、宇和島等々の場所という強度としての記憶、本人さえ意識的に記憶しているのかどうか定かではない記憶の痕跡が「全景」として露呈している。しかし、それは私たちがそれを「全景」として一望できるということではない。傷口から混沌とした他者の内部を覗いてしまうことの疲労。また、超然と眺めるということはできず、他者の記憶の痕跡を覗くということは、それによって自らの記憶の痕跡が揺り動かされ、想起作用が活性化されてしまうということだ。高密度、この展覧会を粗雑に一言でいえばそうなる。これは大竹の画風のためだけではないだろう。ともかく、これまで未公開だった「スクラップブック」全66冊は圧巻。
昼は3人で青山に移動して、Eさんに会う。Eさんが勤務する某大手商社の社員食堂で昼食。それから道路も一面黄色く染まった神宮外苑の銀杏並木を散策。それから、ベルコモンズDean & Delucaでお茶。ここのドーナッツは美味しく、これを食べてしまうと、暫くはミスドのドーナッツには食指が動かなくなる。主婦であるChさんが埼玉県の自宅に帰らなければならないというので、Chさんを送って、私たちは渋谷へ。某デパートで妻が用事を済ますと、新宿の伊勢丹。妻がChloeの靴を買うのを居眠りしながら待って、丸の内線で四谷。私の高校の同級生のKikiさんと居酒屋。何故か名古屋の話で盛り上がる。